宝生能楽堂 能『羽衣』と狂言『成上がり』を観る

久しぶりの能楽鑑賞です。今回は水道橋にある宝生能楽堂にて、特別公演を観ることができました。座席数は全部で490席ほどの能楽堂です。自由席ということで、めったに観ることがない正面をめざしましたが、早めにいったものの、すでに多数の人におさえられていましたので、またも脇正面になりました。一番前、橋掛かりのすぐ側は選べました。
東川光夫さんによるわかりやすい解説から始まり、狂言、休憩をはさんで能と続きました。
狂言、能ともに、登場するのはそれぞれ3人ほどのシンプルな演目で、また演目終了後はいくつかの質問タイムもありました。

  • 舞台の鏡板に描かれた松

成上がり(和泉流)
太郎冠者:三宅近成、主:三宅右矩、すっぱ:高津祐介
羽衣(宝生流)
シテ/天女:金井賢郎、ワキ/白龍という漁師:村瀬 提、ほかにワキツレの漁師

今回、囃子方の太鼓姥浦 理紗さんという女性が登場しました。女性の囃子方については、以前別の方もとりあげました。

狂言『成上がり』は、3人とも発声がよくわかりやすく楽しい狂言でした。この演目は以前に観たことがありますね。
また、能『羽衣』は、各地に羽衣伝説があり様々な内容があるなか、能で演じられるものは衣をすぐに返してしまい、その代わり舞を見せてもらうというシンプルなものです。ゆっくり始まった舞がだんだんと動きも出て、天へと帰ってしまうというものですが、衣の美しさや所作の美しさが特別感じられるものでした。 

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日本ソムリエ協会埼玉支部例会セミナーに参加する

昨年の12月に、日本ソムリエ協会の埼玉支部例会に行ってきましたので、簡単に報告します。都道府県の例会には、テーマがそれぞれ地域独自のものがあり、それが楽しみです。また、共通のテーマと違って、内容や写真を公開することが許されています。

会場は浦和の「ロイヤルパインズホテル」で、テーマは、「ジビエを観光資源とする~地域活性化につながるエコシステム」といったものでした。ジビエに惹かれますね。今回は、酒類としてはワインではなく、ウイスキーが出てきました。そう、秩父の横瀬ジビエ製造場(株式会社カリラボ)と同じく秩父のイチローズモルト(株式会社ベンチャーウイスキー 秩父蒸溜所)の組みあわせです。セミナーの前半は、横瀬ジビエ製造場の吉田さんが設立から今に至るエコロジーとエコノミーなどのお話。後半は、ベンチャーウイスキーからの吉川さんが加わり、バーをやっている川本さんが司会進行で3人での楽しい鼎談でした。

ウイスキーは、1から3がバーボンバレル、ワインカスク、ピーテッドウイスキーという、それぞれ樽出しのシングルモルト・シングルカスクという贅沢。60~63%ありますが、途中加水したりして味の変化も楽しみました。加水すると甘くなったり、辛くなったりする違いも出てきます。やや赤い4つめはブレンデッドでシングルカスク、59%、樽はマデイラということです。ちなみに発酵槽はすべてミズナラを使用です。
鹿肉のソーセージ、山椒の味わいのものが提供され、ウイスキーとの組みあわせも楽しみました。わなを使ったもののみを使用して、放血等の早い処理、搬入・熟成庫という正しいステップをふめば、ジビエも硬くない、臭くないということです。

私は、ウイスキーについては、単体では1と4が好みでしたが、ソーセージとは2が特に合う感じでした。めったにない機会が得られたことに感謝です。
イチローズモルトについては、前の記事でもとりあげていましたね。蒸留所の紹介記事はこちら、など。

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紅葉の京都を訪ねる 哲学の道など

昨年11月下旬のことですが、初めて紅葉の時期に京都を訪ねました。どこも混んでると認識していたので、宿泊したところからあまり無理せずに移動できたところを軽微に回ってきました。銀閣寺(東山慈照寺)から始め、哲学の道を散策しながら南下して、法然院、安楽寺などを経て永観堂(禅林寺)、南禅寺をざっと見てきました。古くからもみじでとりわけ有名な永観堂はあまりの混雑・行列だったので外側から見ただけでした。

翌日には京都御所を見学しました。特別な公開をしているときで、その日は保存会による蹴鞠の実演がありました。右足しか使ってはいけないことなど、けっこう難しいですね。京都御所はやはり広く、美しいです。

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持ち寄りワイン会 テーマは雲(くも) 南アフリカについても

遅まきながら、11月のワイン会の報告です。今回のテーマは雲(くも)でした。
私は、「雲とか霧は水蒸気・氷の粒であって、上空にあるのが雲、地面近くにあるのが霧」というイメージから、南アフリカの冷涼地区で霧が深くエレガントとされるエルギンのピノノワール(2016年)を持って行きました。生産者はボッシェンダルです。7年経ちますが、酸がしっかりあり、美味しさと納得のエレガントさ、そしてかつ複雑な味わいと湧き立つ香りも備えていました。正解でした。
南アフリカのワインは結構好きですし、このワイン会にも現地調達のものも含めて何度か持って行っていると思います。
今回、カヴァから始まり、他の方の南アフリカのソーヴィニヨン・ブランも登場しましたし、それぞれ多様なワインが揃いました。皆さんのテーマに関する解釈が面白いです。

過去に行った南アフリカの旅行についても、写真を何枚か載せておきます。プロテアは南アフリカのシンボル的な植物で、ヤマモガシ科プロテア属やその他いくつかの属の多用な姿を持つ植物です。キングプロテアが国花。南アフリカは、ワインも素晴らしいですが、自然も素晴らしい!

南アフリカのワインや、産地などについて詳しいものには、「アフリカー」があります。

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正月の食事 そして長野県の日本酒

今年はお金がないので、おせちというより個別に購入したり準備した細々としたものを食べて過ごしました。特別なものとしては、長野県中野市の小規模ながらこだわりの醸造に特化した日本酒を手に入れて飲みました。購入したものは、井賀屋酒造場石清水「SUNQRINGO(サンキューリンゴ)2023」です。ここの日本酒の特徴は、無濾過生原酒、低アルコール、超軟水の仕込み水を使用して、原料処理や麹造りにもこだわりを持ったものです。そのなかでもこの「SUNQRINGO」はリンゴ酸を多く出す酵母を使い、麹割合は3.9割袋吊りで丁寧に搾っています。アルコール度数11%、酒米は山恵錦を使っています。
ワイングラスで飲むことがよいのでしょうが、正月であることや色をしっかり見たかったこともあり、利き酒用猪口にしました。軽い発泡、軽いにごり、さわやかさと、柔らかな甘み、すっきりした酸が心地よいです。香りは穏やかでした。
のちにシャンパーニュグラスでも飲んでみましたが、底に近いほど濁りが強いですが、旨味もあります。

正月から、地震や津波災害、飛行機事故、その他もいろいろありました。今年もみんなで助け合って生きていきましょう。

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新年 話題は旧年の中伊豆からの富士山

2024年。明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。昨年は、官民、政治めちゃくちゃなことばかりでした。また日本だけでなく、世界もひどい状況です。しかし、希望はあります。心ある人々が、いろいろな事実・真実に気づき、新たな行いに乗り出しています。希望を失わずに歩みを止めることなく、自分のペースでよいので頑張りましょう。他者ともつながりましょう。

さて、旧年の12月のことでしたが、伊豆の修善寺に1泊旅行をしてきました。東京からは直通のバス便が期間限定で出たおかげでとても便利でリーズナブルに行くことができました。
軽く修善寺の街を歩きましたので、その簡単な記録と正月にこそふさわしい富士山の姿ということで、今年最初の記事にしたいと思います。今年は、月当たりの本数をあまり減らさないようにしたいものです。

修善寺は以前1回訪ねたことがあり、今回は1日ですが少し復習した感じでした。ハリストス正教会外観、日枝神社、修善寺、独鈷の湯等々を回り、ホテルへ向かいました。部屋は露天風呂付きで快適でした。気持ちよかった! 翌日はホテルでゆっくりして、前回もそして1日目も見ることができなかった「中伊豆からの富士山」が何とかこの日は拝めました。そして、帰路もバスということで楽々旅でした。またゆっくり行きたいものです。

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谷桃子バレエ団 東京タワーRED公演『TMB DANCERS Show Case VOL.1』を観る

今まで、日本のバレエ団の鑑賞経験は、新国立劇場バレエ団、東京バレエ団が双璧でしょうか。ほかに数少ない経験では、K-バレエスターダンサーズバレエ団等々(他にもあるが、すべては思い出せない)でしたか? 
しかしながら、このところYouTubeで、自らのバレエ団のよさとともに苦悩する状況までもあえて公表していく谷桃子バレエ団の試みを興味を持って、時々見ていました。

今回、古典作品ではないですが、新たな試みの舞台を初めて観てきました。『TMB DANCERS Show Case VOL.1』。11月のことです。外部からの新たな振付を含む「モダン」な小品集です。場所も劇場ではない、レッド東京タワーの会場を利用します。メンバーの中からオーディションで選ばれたキャスト、全部で15作品ありますが、日程・時間帯によって組みあわせが異なり、私が観たのはAの作品群でした。

  • 東京タワー
  • レッド東京スカイスタジアム
  • 会場内ポスター
  • 座席

それぞれ短い作品で、全部で1時間弱くらいの公演でしたが、それぞれが生き生きしていたのがよかったです。臨場感もあります。終わりの挨拶での全員集合でもみな、踊りはじけていました。また席種によってプレミアムなところを選んだ方との、写真タイム、握手会なども終了後に軽く行われていたのも面白い試みです。私も帰り際、芸術監督の髙部尚子さんと軽く会話を交わすことができました。とてもフレンドリーな対応でした。
会場が見づらい、映像はすべてが必ずしも効果的ではない等々ありますが、試みを評価したいですね。このように、たまにモダン・コンテンポラリーをも採り入れるのには賛成したいです。日本でのバレエ団の運営は大変ですが、頑張ってほしいものです。次の舞台『白鳥の湖』は、私は予定があり残念ながら行けませんが、HPを紹介しておきます。

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Zoom飲み会で、またまたウイスキーとチーズ

先日久しぶりにZoom飲み会を再開しました。予定を忘れていた人もいて、始まりは遅れましたが、無事開催し、久しぶりにお互いの近況報告をしました。みんな元気でよかったです。

今回用意したチーズは、イタリアのパルミジャーノ・レッジャーノ 24か月です。旨味が強いですね。ウイスキーは、かなり前に蒸留所を訪ねたときに購入した、イチローズモルト・ダブルディスティラリーズをようやく開けて飲みました。甘みもある香りが豊かでオンザロックも心地よいです。飲んでみると、香りの印象よりけっこう辛口ですっきりした味わいでした。オンザロックは、チーズに合います。しかし後でハイボールにすると、やや味わいがぼけてしまった印象です。ハイボールには、緻密に炭酸水との量の割合を見極めたほうがよいでしょう。

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ポンカンを食べる 熊本から

この冬には、熊本の天草から柑橘類の「ポンカン」を取り寄せて食べています。「下浦ポンカン」といいます。種が少しあり、(温州)みかんほど食べやすくはありませんが、酸味と甘みがほど強く、濃厚な味わいです。訳ありということで、見た目はやや落ちますが、カットした切り口に見える果肉はとてもきれいです。
ポンカンは、インドが原産らしく、日本には明治時代に入っています。下浦ポンカンの始まりは、大正14年(1925年)ということです。みかんやオレンジの仲間はとても多くの種類がありますね。たくさん食べて、風邪など吹き飛ばしましょう。

果物のサイトは、以前にも紹介した「果物ナビ」が詳しいです。また、愛媛のみかんに特化した「のま果樹園のみかん大事典」は見ていて楽しいです。

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持ち寄りワイン会 テーマは山 アルザスについても

9月の持ち寄りワイン会、テーマは「山(やま)」でした。いつも重なるものがまずないワインの持ち寄りですが、今回重なってはいないのですが、ワインのビンがフルート型の白ワインが多かったということでこれがまた面白かったです。イメージするものが、近かったのですね。フルート型はドイツのモーゼル、ライン地方やフランスのアルザス地方などに多くみられます。

私は、いろいろ想像力が働くなか、今回はフランスのアルザス地方のヴォージュ山脈のイメージからアルザスワインにしようと考えました。ヴォージュ山脈によってフランスはロレーヌ地方とアルザス地方に分かれるのですが、そのまた東はライン川を越えてすぐドイツです。山のおかげで、アルザスはフランスで最も降水量が少ないワインの生産地域になっています。アルザス(ストラスブール)については、すでに1回記事にしています。今回は、別のものも紹介しましょう。

ワイン会の話に戻りますと、持っていったワインはマルセル・ダイスの「アルザス・コンプランタシオン」の2018年です。マルセル・ダイスは、品種の個性よりもその土地ならではの「テロワール」を重視したワイン造りによって世界で評価されてきました。コンプランタシオンは混植を意味していて、混植したものを混醸して造ったワインです。このワインは、実に13種類もの伝統品種から造られているのです。リースリング、ピノ・ノワール、ピノ・グリ、ピノ・ブラン、ピノ・オーセロワ、ピノ・ブーロ、ゲヴェルツトラミネール、トラミネール、ミュスカ、ミュスカ・ア・プティ・グラン、シルヴァネール、シャスラ、ローズ・ダルザス。聞きなれないものもありますね。

アルザスのリースリングやドイツのリースリングとの比較もできて面白かったです。コンプランタシオンは、色が濃いめでさわやかなミネラル感とともに、ふくよかでコクがあり複雑な味わいでした。さらにほかの多様なワインにも癒やされて、ワイン会は終了しました。

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