今は映画館もぼちぼち、座席に間隔をとりながら開き始めています。少し前の話ですが、3月の緊急事態宣言前の開いているときに「Fukushima50」を観てきました。
もちろん、あの福島原発事故に関する映画です。重大事故の迫力あるシーンには、トラウマを感じる人もいると思いますが、あの頃のことを忘れてはいけないという思いもわきあがってきました。この映画は、一旦撤退という判断もあったかもしれなかったものの、結局原発に残り必死に努力を続けた現場の人たちとその家族の物語です。当初から批評には賛否が分かれたように、私も人間は描けていたが、社会は描けていないのではないかと思いました。現場に焦点を当てるあまりに、東電本社のひどい対応はともかくとして、佐野史郎さん演じる首相(実際は菅直人さんのことですね)がやたらとどなり散らしているところが過剰に強調されていました。本人は、冷静にtwitterで批評していたみたいですが、私個人も、菅さんはこの事故に関してはよくやったと思います。彼の最大の問題は、党の公約にない消費税増税を進めようとして、国会にねじれを生じさせたことですね。
話がずれましたが、監督は若松節朗さんです。彼の作ってきたドラマ・映画もいろいろ賛否あるようですが、私は少し意外だったのは、WOWOWなどでは社会性のある作品を作っていたのも彼だったということでした。特に「石つぶて~外務省機密費を暴いた捜査二課の男たち」はなかなかよかったです。男たちとありますが、意外なキャストの飯豊まりえさんもよかったです。
また、やはり原発関係作品では、社会をも描いてすばらしいものは「チェルノブイリ」ですね。私は、2か月間のみ有料放送スターチャンネルを契約して、字幕版と吹替版両方観ました。恐ろしいけど、すばらしかった。社会システムや権力者のむごさを描きつつも、一方、一部の良心的な科学者や行政官(党幹部)、無名の献身的な人間たちの存在が希望を感じさせ、深く考えさせられました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)でもそうですが、日本もいいかげんにきちんと検証しなくては未来はないですね。