国立能楽堂11月企画公演 新作能『夢殿』を観る

久しぶりの能楽鑑賞です。今回は、聖徳太子1400年遠忌(574-622年、つまり没後1400年)によせて、ということでゆかりの作品等が上演されました。能楽は、歌人の土岐善麿による新作能(明治時代以降に書かれたもの)の『夢殿』がありました。これは16曲創ったうちの第一作目ということです。
能の前には、竹部俊惠さん(妙蓮寺住職)による出張「絵解き」が行われました。富山県南砺市にある井波別院瑞泉寺(真宗大谷派)には、「聖徳太子絵伝」(全八幅)があります。これは寺を創立した綽如上人に後小松天皇から贈られたものということで、聖徳太子の50年の生涯が描かれたものです。今回はレプリカを用意しての絵解きで主に第七幅の話がありました。

そして休憩後、いよいよ能『夢殿』です。
今回、座席はいつものように脇正面を選んだのですが、購入の出足が遅かったこともあり、
後のほうになりました。しかしこれがまた新たな発見でした。舞台に近い前の方や橋掛かりに近い横の方は臨場感がありますが、今回の席も全体像が見られて面白かったです。座席も後方は緩い傾斜がついていますので前の人が邪魔になるいうことも少ないです。細かいところを見るのに、オペラグラスを用意するだけで細かいところもチェックできますし、座席後ろに表示される字幕も見られるし悪くないですね。次回からは後方席にしようかな。

夢殿(ゆめどの)(喜多流)
前シテ/老人、後シテ/聖徳太子:友枝昭世、ワキ/僧:森常好 
アイ/門前の者:山本則重

法隆寺に参詣した僧が出会った老翁が聖徳太子について語り、夢殿に姿を消す前場。アイが聖徳太子や法隆寺について語る場面を経て、後場では僧の夢に聖徳太子が現れ、富士山から遠く北越の空を駆け巡るさまを見せるという能です。
登場人物も3人とシンプルで、後場の後半以外は動きも少ない落ち着いた能でした。前場の老人に対して、後場の聖徳太子がとても若く生き生きとした姿が印象的でした。

ジョージ について

旅行大好き、飲食大好き、劇場、博物館・美術館大好き、好奇心旺盛なごくふつうの会社員です。社会問題含め、いろいろ書いていこうと思います。
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