東京バレエ団『ロメオとジュリエット』クランコ版を観る シュトゥットガルトについても

4月末の連休時に、上野の森バレエホリデー2022の一環でもある、東京バレエ団『ロミオとジュリエット』に行ってきました。場所は、上野の東京文化会館大ホールです。雨のせいなのか、もともとそういう会場設定だったのか、バレエホリデーのイベントなども会場内に入り込んでいたため、座席へ向かうまでは手狭で人混みが大変でした。
今回はジョン・クランコの振付作品で、東京バレエ団としても初演ということでした。この作品は、振付したクランコと シュトゥットガルト ・バレエ団の名を一躍有名にしたものでもあります。1962年が初演です。ラブロフスキー版に影響を受けたクランコは、ドラマティックバレエとしてのこの作品を創りあげましたが、この作品からマクミラン版(1965年)ノイマイヤー版(1971年)などにも影響が連鎖されます

指揮:ベンジャミン・ポープ、演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ、装置・衣装:ユルゲン・ローゼ
全3幕(2回休憩)55分ー30分ー40分

主な配役
(キャピュレット家)キャピュレット公:木村和夫、キャピュレット夫人:奈良春夏、
ジュリエット:沖香菜子、ティボルト:安村圭太、パリス:大塚卓、乳母:坂井直子
(モンタギュー家)モンタギュー公:中嶋智哉、モンタギュー夫人:二瓶加奈子、
ロミオ:柄本弾、マキューシオ:宮川新大、ベンヴォーリオ:樋口佑輝

ヴェローナの大公:和田康佑、僧ローレンス:ブラウリオ・アルバレス、
ロザリンド:政本絵美、ジプシー:伝田陽美、三雲友里加、加藤くるみ、
カーニバルのダンサー:中嶋智哉、湧田美紀、安西くるみ、岡崎隼也、井福俊太郎

1幕では少し重い音楽から始まり、登場人物の細かい動き、ステップ、回転、足さばきが心地よいです。全体としては、細かく描き過ぎず想像力を喚起するようなやり方の舞台だと感じました。バルコニーの場やジュリエットの寝室はやはり見せ場として素晴らしいものでした。ドラマティックバレエとしての原点でしょうか。

シュトゥットガルトについては、ミュンヘン周辺に旅行したときに、電車で足を伸ばして往復し、美術館とシュトゥットガルト州立劇場、つまりシュトゥットガルトバレエ団の本場でバレエを観てきました。シュトゥットガルトは、バーデン=ヴュルテンベルク州にある都市で、産業、文化に富んでいる活気ある街です。ミュンヘンからは2時間少しかかります。
このとき観た演目は『ラ・フィユ・マル・ガルデ』(「リーズの結婚」などと訳されていることも)。フレデリック・アシュトンの振付によるものです。もともとの作品としては、18世紀終わりと古い時代のものですが、アシュトンが改訂したのは1960年です

このときは途中で主役の女性が脚を痛めて、交代。一度幕が閉まり、少し前からやり直したため終演が遅れて、ミュンヘンのホテルへと帰ったのは翌日の夜中、というハプニングがありました。まあ日帰りを選んでいたのは私自身でしたし、それもまた貴重な体験でした。

ジョージ について

旅行大好き、飲食大好き、劇場、博物館・美術館大好き、好奇心旺盛なごくふつうの会社員です。社会問題含め、いろいろ書いていこうと思います。
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