歌舞伎座 4月大歌舞伎を観る

今月、歌舞伎座第1部の公演を観てきました。緊急事態宣言以前で、その後25日から28日の公演がすべてキャンセルとなる前でラッキーでした。演目は、「小鍛冶(こかじ)」「勧進帳(かんじんちょう)」です。
前者は、「猿翁十種」(三代目市川猿之助が1964年/昭和39年に選んだ舞踊劇の十番で澤瀉屋・市川猿之助家のお家芸)のうちのひとつで、後者はもちろん有名な「歌舞伎十八番」(7代目市川團十郎が1832年/天保3年に定めた、もともと成田屋・市川宗家のお家芸といわれるもの。今回は高麗屋・松本家が演じる)のひとつで人気作品です。

「小鍛冶」は、能の『小鍛冶』を題材に初世猿翁(二世猿之助)が初めて演じた舞踊劇です。前半は、刀匠の三條小鍛冶宗近が帝への剣を献上することになり、稲荷明神に祈ると、狐の化身なのか童子が現れるという場面です。後半は稲荷明神がいかめしいようすで現れ、三條小鍛冶宗近とともに、刀剣をつくっていくところを表現しています。リズムに乗った2人の動き槌の音の奏でが心地よい作品です。
特に、後半の2人の掛け合いが生き生きとしていて面白かったです。

[出演]童子実は稲荷明神:市川猿之助、三條小鍛冶宗近:市川中車、巫女:中村壱太郎
弟子:市川笑三郎、弟子:市川笑也、弟子:市川猿弥、勅使橘道成:市川左團次

「勧進帳」はいうまでもなく、源頼朝から逃れた義経武蔵坊弁慶らの家臣とともに山伏一行に姿を変えて奥州平泉を目指したところ、加賀国安宅の関で関守の富樫左衛門に阻まれます。弁慶が主君を守るために、この難局をいかに切り抜けるのか弁慶と富樫との緊迫したやりとりが見せ場の荒事(豪快さを演技と様式で表現したもの)です。
今回はこの弁慶と富樫は、2つのキャストで行われ、私は幸四郎、松也の若手のほうで観ました。もうひとつは、白鸚、幸四郎です。
花道をもうまく利用した演出(私の席からは部分的にしか見えませんでしたが)と2人の緊張感あふれる演技が観る者を惹きつけました。

[出演]武蔵坊弁慶:松本幸四郎、富樫左衛門:尾上松也、
亀井六郎:大谷友右衛門、片岡八郎:市川高麗蔵、駿河次郎:大谷廣太郎、常陸坊海尊:松本錦吾、源義経:中村雀右衛門

ジョージ について

旅行大好き、飲食大好き、劇場、博物館・美術館大好き、好奇心旺盛なごくふつうの会社員です。社会問題含め、いろいろ書いていこうと思います。
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