バレエ「くるみ割り人形」を観る

年末といえば、くるみ割り人形ということで、東京バレエ団(NBS日本舞台芸術振興会)を観てきました。チャイコスフキーの3大バレエのひとつともいわれるこの作品は、世界中で年末の風物詩として親しまれています。まあどちらかというと家族でということで、子どもの観劇率も高いです。東京バレエ団もしくはNBSの主催公演は、今期いくつも中止に追い込まれましたが、今回は久しぶりに観ることができました。場所は上野の東京文化会館大ホールです。

東京文化会館
東京文化会館
飾られた花
飾られた花

東京バレエ団のこの作品は、芸術監督の斎藤友佳理のもと、2019年に新制作されたもので、ロシアの劇場スタッフによって製作された美術を利用しています。くるみ割り人形は振付・演出によっていろいろなバリエーションがありますが、この作品は、クリスマスイヴにパーティに向かう人のシーンから、最後のマーシャがベッドの上で目を覚ますところまでも丁寧に表現していました。少女マーシャ(クララとする作品もある)は子役が踊るのではなく、主役はずっと出続けます。第2幕での見せ場となるグラン・パ・ド・ドゥ(男女2人の踊り)は金平糖の精ではなく、マーシャと王子(ドロッセルマイヤーの魔法で、くるみ割り人形が姿を変えたもの)が踊るという設定です。全体的にわかりやすく、ダンサーの踊りをしっかり見せる形になっていました。少し整理されすぎの感じも一方ありましたが。

東京バレエ団「くるみ割り人形」
東京バレエ団「くるみ割り人形」

音楽:ピョートル・チャイコフスキー、台本:マリウス・プティパ(E.T.A.ホフマンの童話に基づく)、改訂演出/振付:斎藤友佳理(レフ・イワーノフ及びワシーリー・ワイノーネンに基づく)、舞台美術:アンドレイ・ボイテンコ、装置・衣裳コンセプト:ニコライ・フョードロフ、指揮:磯部 省吾、演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、児童合唱:NHK東京児童合唱団。全2幕(55分・50分)
主な配役
マーシャ:沖 香菜子、くるみ割り王子:秋元 康臣、ドロッセルマイヤー:柄本弾、ピエロ:樋口祐輝、コロンビーヌ:中川美雪、ウッデンドール:岡崎隼也
(第1幕)
マーシャの父:ブラウリオ・アルバレス、マーシャの母:奈良春夏、弟のフリッツ:岸本夏未、ねずみの王様:岡﨑司
(第2幕)
スペイン:秋山瑛、池本祥真、アラビア:三雲友里加、生方隆之介、中国:岸本夏未、昂師吏功、ロシア:伝田陽美、岡﨑司、鳥海創、フランス:涌田美紀、足立真里亜、南江祐生、花のワルツ(ソリスト):政本絵美、加藤くるみ、上田実歩、髙浦由美子、ブラウリオ・アルバレス、和田康佑、後藤健太朗、山下湧吾

劇場内部
劇場内部

なじみのあるきれいな音楽が多い作品、出演者は粒がそろっている感じです。その中でもやはり、マーシャ役の沖 香菜子は、私は初めてだったかもしれませんが、悲しみや喜びなどの表情・表現が豊かで光っていました。パートナーの王子・秋元 康臣も安定していました。あと、女性のソリストの中では政本絵美が踊りが大きく表情もよく、目につきました。

場面では、第1幕の最後、雪片のワルツや第2幕での花のワルツは素敵でした。とくに雪のシーンは美しく、幕間でのNHK東京児童合唱団のメンバーのお目見えもよいですね。行ったのは、初日。平日夜だったせいか、入りは3分の2くらいだったかと。

ジョージ について

旅行大好き、飲食大好き、劇場、博物館・美術館大好き、好奇心旺盛なごくふつうの会社員です。社会問題含め、いろいろ書いていこうと思います。
カテゴリー: シアター, 文化 パーマリンク