アルバン・ベルク(1885-1935年、オーストリア)作曲『ヴォツェック』新制作、ドイツ語上演、全3幕(約1時間40分で休憩無し)を観てきました。20世紀オペラでやや難解な作品です。一度はこの新国立劇場で観たと思いますが、新制作ということに惹かれついチケットを買ってしまいました。
休憩無しですが、けっこう集中できて楽しめました。音楽は、長調短調の調性のない「無調性音楽」が生かされたものです。私もよく理解できていないので、いわゆる通常聞き慣れていない音楽として感じるものでよいのでしょうが、それらの音楽が歌と語りによる進行をしていきます。まさに不条理の中で悩み揺れる内面を表わすものですが、演奏だけでないオペラは目にも見えていますので、全身で聴いて見て感じてという、素人でも楽しむことができます。演出としては、場面に応じて、奥行きの広い舞台上をくるくるとセットを動かして展開していくこともまじえながら、全体としてシンプルで視覚的にもわかりやすく印象に残るものでした。
原作がゲオルク・ビューヒナー(1813-1837年、ドイツ)執筆の未完の戯曲『ヴォイツェック(Woyzeck)』で、貧困の兵士の精神的不安と破滅を描いたという作品です。演出したのは、英国のリチャード・ジョーンズ。この人に限らず、配役もそうそうたるメンバーです。そのうち、主役のトーマス・ヨハネス・マイヤーについては、体調不良による降板があり残念ではありましたが、カバーでもともと新国立劇場オペラ研修所出身でもある駒田敏章さんが務めました。落ち着いたしっかりした歌いぶり・演技はよかったです。最後のあいさつでも大喝采でした。
指 揮:大野和士 管弦楽:東京都交響楽団
合 唱:新国立劇場合唱団 児童合唱:TOKYO FM 少年合唱団
演 出:リチャード・ジョーンズ
美術・衣裳:アントニー・マクドナルド 照 明:ルーシー・カーター
ムーヴメント・ディレクター:ルーシー・バージ 舞台監督:髙橋尚史
【キャスト】
ヴォツェック:駒田敏章 鼓手長:ジョン・ダザック
アンドレス:伊藤達人 大尉:アーノルド・ベズイエン
医者:妻屋秀和 第一の徒弟職人:大塚博章 第二の徒弟職人:萩原 潤
白痴:青地英幸 マリー:ジェニファー・デイヴィス マルグレート:郷家暁子
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