国立劇場建て替えでさよなら公演 文楽『碁太平記白石噺』などを観る

永田町の国立劇場が建て替えして抜本的再スタートを切るといいます。さよなら公演が始まったのですぐにでも閉館かと思いましたが、来年23年の10月で閉場ということでした。しかし、再開幕の29年4月は長いですね。

今回、文楽で半世紀もの長い間上演されなかった作品が上演されると聞いて行ってきました。作品は、『碁太平記白石噺(ごたいへいきしらいしばなし)』で、この作品では今回第2部で上演される「浅草雷門の段」と「新吉原揚屋(あげや)の段」が有名ということです。私は両方知らないのですが、第1部の稀な上演の方を観てきました。第2部では姉妹による父親の仇討ちに向けた筋が注目されますが、今回第1部で上演される「田植の段」、「逆井村の段」では宮城野・おのぶ姉妹の仇討ちへの動機や作品の本筋となる常悦らの北朝打倒、南朝再興の意欲が見られます。

ほのぼのとした田園風景、田植え風景の面白いシーンから始まりましたが、一転殺人が起こり、誰が犯人かでもめる「田植えの段」「坂井村の段」は長い話で、元武士の百姓与茂作を殺された家族の嘆きに旅の浪人・谷五郎や浪人・兵部助がからみ複雑です。次のシーンに期待を抱かせるように舞台は終わりました。今回は続きのところは観ませんでした。またたまには文楽も楽しみたいものです。

碁太平記白石噺「田植の段」
 口 豊竹咲寿太夫、鶴澤友之助、 奥 豊竹藤太夫、鶴澤清友
「逆井村の段」
 中 豊竹靖太夫、野澤勝平、 切 竹本千歳太夫、豊澤富助

人形役割:床屋七郎兵衛/吉田玉也、志賀台七/吉田玉勢、家来丹介/吉田玉路、
百姓与茂作/吉田玉輝、娘おのぶ/吉田一輔、家来貫平/桐竹勘介、
宇治兵部助(常悦正之)/吉田玉志、女房おさよ/吉田簔二郎、百姓七助/吉田玉路、
女房おうね/吉田玉延、金江谷五郎(後に勘兵衛正国)/豊松清十郎、百姓/大ぜい
囃子:望月太明藏社中

ジョージ について

旅行大好き、飲食大好き、劇場、博物館・美術館大好き、好奇心旺盛なごくふつうの会社員です。社会問題含め、いろいろ書いていこうと思います。
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