新国立劇場オペラ『ナターシャ』を観る

新制作にして日本人創作委嘱作品である、オペラ『ナターシャ』を新国立劇場で観てきました。上演時間は約2時間35分(序章~第4場 70分 休憩 30分 第5場~第7場 55分でした。この作品は、「自然と人間の係わりをライフワークとする細川俊夫と、世界人として鋭い人間批評を繰り広げる多和田葉子のコラボレーションで、地球環境の破壊と人間の欲望をテーマとした”多言語オペラ”」(新国立劇場HPより)というものです。国際的な多くのスタッフが関わり、舞台空間は映像の工夫で広がり豊かになり、客席にもスピーカーや奏者を配置し、あらかじめ録音した声も利用するなど音の多層空間にも様々な試みを加えた「現代オペラ」でした。

序章で荒れた「海」のイメージから始まり、「デュエット」で、難民となった日本からのアラトとウクライナからのナターシャが歌い始めます。そこから、ドイツのメフィストの孫と称する者によって2人はいくつもの地獄に案内されていきます。少し『魔笛』のタミーノとパミーナの成長への試練のイメージも感じましたね。地獄は、森林、快楽、洪水、ビジネス、の違った姿で現れ、後半は沼、炎上、旱魃と続きます。現代文明の批判はけっこう見慣れたものともいえました。はたして、アラトとナターシャに新たな歩み・希望があるのでしょうか。ということで、現代音楽かつ新作の故、観客は固唾をのんで鑑賞していました。終演で緊張が解け、拍手の嵐でした。

  • ナターシャのポスター
  • 新国立劇場オペラパレス
  • 新国立劇場オペラパレス2
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充実した時を過ごした後、今回、久しぶりに抽選でのバックステージツアーが当たり(おそらく3回目くらいかな)、事務局と舞台監督の髙橋さんの案内の元、けっこう長い間舞台裏へ入ってきました。とりわけ新作を、いかに現実化していくかの苦労とやりがいが話され、道具類や舞台裏の装置、着替えの部屋なども見ることもできました。著作権等の関係で、撮影はNGですが、ステージに立って観客席を観る向きだけは許され、シャッターを何枚も切ってきました。

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  • 舞台から観客席を見る2

台 本:多和田葉子、作 曲:細川俊夫
指 揮:大野和士、管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱指揮:冨平恭平、合 唱:新国立劇場合唱団
演 出:クリスティアン・レート、美 術:クリスティアン・レート、ダニエル・ウンガー
衣 裳:マッティ・ウルリッチ、照 明:リック・フィッシャー
映 像:クレメンス・ヴァルター、電子音響:有馬純寿
振 付:キャサリン・ガラッソ、舞台監督:髙橋尚史
【キャスト】
ナターシャ:イルゼ・エーレンス、アラト:山下裕賀
メフィストの孫:クリスティアン・ミードル
ポップ歌手A:森谷真理、ポップ歌手B:冨平安希子、
ビジネスマンA:タン・ジュンボ、サクソフォーン奏者:大石将紀
エレキギター奏者:山田 岳

新国立劇場の舞台写真・公演記録https://www.nntt.jac.go.jp/enjoy/record/detail/37_030096.html

ジョージ について

旅行大好き、飲食大好き、劇場、博物館・美術館大好き、好奇心旺盛なごくふつうの会社員です。社会問題含め、いろいろ書いていこうと思います。
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