国立能楽堂 8月企画公演 能『安達原』、狂言『入間川』を観る

8月前半の国立能楽堂での公演です。スケジュールは以下のようでした。

1.おはなし『能を彩る面のさまざま ー能「安達原」を中心に 』 藤波重彦(シテ方観世流)
2.狂言『入間川 (いるまがわ)』  能村晶人(和泉流)
3.能『安達原 (あだちがはら)』 白頭・急進之出 (はくとう・きゅうしんので)  
 岡 久広(観世流)

観世流の藤波さんの解説は、女面を中心に実物を見せながらの具体的なお話で興味深かったです。三番目シテに使う「若女」、ツレに使う若々しい「小面」、年を増すと「増」、さらに上になると「深井」、うらみが内在する「泥眼」、鬼女の「般若」などを紹介してくれました。
続けて狂言『入間川』です。都から帰る途中の大名が大きな川に突き当たり、渡れる浅瀬の場所を対岸にいる男に尋ねますが勘違いして深みにはまりかけます。なんでも逆さに言う「入間様」にちなんだかけあいの作品です。

シテ/大名:能村晶人、アド/太郎冠者:野村挙之介、小アド/人間の某:小笠原由祠

休憩後、能『安達原』です。旅の途中、陸奥の安達が原で山伏の一行が宿を求めます。糸を紡ぐ老女は、外へ出たとき決して寝室を覗かないように言います。能力がつい見てしまうと、そこには死骸の山が。逃げ出した一行を追う鬼女の姿になった女とせめぎ合いが続きますが、女は祈り伏せられます。登場人物も4人、筋もけっこうシンプルです。小書(演出)により後シテの鬼女は白い頭で重厚さを出し、早笛の囃子で走り出ます。面白い作品ですが、ともすれば単調になってしまう危うさもあります。

前シテ/女、後シテ/鬼女:岡 久広、ワキ/阿闍梨佑慶:福王和幸、
ワキツレ/同行の山伏:矢野昌平、アイ/能力:野村万之丞

ジョージ について

旅行大好き、飲食大好き、劇場、博物館・美術館大好き、好奇心旺盛なごくふつうの会社員です。社会問題含め、いろいろ書いていこうと思います。
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