国立能楽堂5月定例公演 能『須磨源氏』、狂言『右流左止』を観る

先月のことですが、国立能楽堂の定例公演を観てきました。

狂言 右流左止 (うるさし)  井上松次郎(和泉流)
能  須磨源氏 (すまげんじ) 窕(くつろぎ) 関根 知孝(観世流)

まず、狂言「右流左止」です。登場人物は、シテ、アドの2人のみです。西国から都へ上る途中に藤蔵明石の浦の茶屋に立ち寄ります。そこで和歌に詳しい茶屋の女と「うるさし」という言葉をめぐって言葉争いが始まります。なかなか味のある作品です。シテの張りのある発声も気持ちよいです。

シテ/塩飽藤蔵:井上松次郎、アド/茶屋:今枝郁雄

休憩後は、能「須磨源氏」です。この能は、光源氏をシテとする唯一の能ということです。源氏物語関連のものは、とりまく女性が主人公のものがほとんどなので。
光源氏が住まいにした須磨の浦。日向の神官・藤原興範がその旧跡を訪ねると老人が現れ、光源氏のことを語り始めます。後場では貴公子の姿で光源氏の霊が現れ、海原を背景にして美しい舞を舞います。全体としてシンプルながらも華麗な舞が印象に残る作品です。小書(演出)の「窕(くつろぎ)」とは、舞の後半で橋掛りへ移動し、幕の前でくつろぐなどの変化が見られるものでした。

前シテ/老人、後シテ/光源氏:関根知孝、ワキ/藤原興範:殿田謙吉、
ワキツレ/従者:則久英志、ワキツレ/従者:御厨誠吾、アイ/里人:佐藤友彦

ジョージ について

旅行大好き、飲食大好き、劇場、博物館・美術館大好き、好奇心旺盛なごくふつうの会社員です。社会問題含め、いろいろ書いていこうと思います。
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