埼玉県立近代美術館を訪ねて(その1)黒川紀章の建築と中銀カプセルタワー

4月初めに行って来た「埼玉県立近代美術館」ですが、今回からおそらく3回くらいに分けて紹介しようと思います。まずは主に建物、建築の話です。
浦和のほうに用事があったため、駅でいうと1つ先の「北浦和」まで足を延ばし、初めての訪問である「埼玉県立近代美術館」に行ってきました。駅からすぐのところで、北浦和公園の中にあります。予約の必要はなかったですが、来館者カードの記入が必要でした。園内や美術館周辺には彫刻が多くあります。彫刻に混じって、黒川紀章の中銀カプセルタワーのユニットもひとつ置いてあります。両側がガラスかアクリルで見られるようになっているので内部も明るくしっかり見ることができます。外側は、現在の中銀カプセルタワーの汚れた色でなく白色です。

埼玉県立近代美術館は、今年の2022年で40周年を迎えます。行ったときは、常設展ではMOMASコレクションの第4期を、企画展では「開館40周年記念展 扉は開いているか − 美術館とコレクション 1982-2022」をやっていました。この美術館の歩みと成り立ちがよくわかります。

日本の有名な現代建築家のひとりである、黒川紀章(1934-2007年)は、日本のモダニズム建築で有名な丹下健三(1913-2005年)の門下生のひとりで、建築理論としてメタボリズムを提唱しています。その代表が「中銀カプセルタワービル(1972年。銀座地区、新橋近くにある集合住宅)」です。他にも代表作はとても多く、六本木の「国立新美術館」は2006年の作品、「埼玉県立近代美術館」は1982年の作品です。埼玉県立近代美術館は、外観がとても印象的ですが、内部も明るく、外観との有機的なつながりも印象深いです。この場所にはかつて旧制浦和高校があったということですが、その記憶を継承しつつ、建物と公園との共生を唱った建築ということです。また、置いてある椅子もよいですね。心地よい見学空間でした。

ちなみに、中銀カプセルタワービルについては3月28日に、解体が決まったというニュースが流れていました。残念ですが、この美術館でもユニットをさらに購入するのでしょうか。以前に行った中銀カプセルタワービルの、私の見学の記録こちら、です。

追加 解体前後に、いろいろなところでニュースが多数流れていました。私も前日に、外観を再び撮影してきました。ここでは、詳しいもののなかから、朝日新聞の記事だけリンクしておきます。「銀座の中銀カプセルタワービルが解体 故黒川紀章さん設計の名建築」です。

ジョージ について

旅行大好き、飲食大好き、劇場、博物館・美術館大好き、好奇心旺盛なごくふつうの会社員です。社会問題含め、いろいろ書いていこうと思います。
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