国立能楽堂3月定例公演を観る 能「当麻」、狂言「鬼瓦」

今回は、狂言「鬼瓦(おにがわら)」 山本東次郎(大蔵流) 15分、
能「当麻(たえま) 二段返(にだんがえし)」 観世清和(観世流) 125分、
といった演目でした。

まずは、狂言「鬼瓦」です。素早く現れた2人の登場人物、とてもシンプルで短い狂言です。わかりやすいですが、その短いながらも泣き笑いがあり、ほのぼのとした気分にさせられます。

あらすじですが、長く故郷を離れていた大名が、訴訟に勝って帰郷を前に因幡堂の薬師如来にお礼の参詣をします。りっぱな建物の細部までいろいろ見ていくうちに、屋根の鬼瓦を見て、くりっとした目、つんとした鼻などが似ていると、つい故郷の妻を思いだし泣き出します。そのうち気をとり直して、2人で笑って帰っていくのでした。

シテ/大名:山本東次郎、アド/太郎冠者:山本則重

休憩後、能「当麻 小書:二段返」です。こちらは、打って変わって2時間を超える長い能。ゆったりと進みます。若干眠気も・・。前場は、登場人物も多めですが、ほとんどをシテと地謡との掛け合いが多いようでした。地謡も控えめではなく、かなり大きく謡います。そして、中入アイが説明を加えた後の、後場での後シテ登場前には、今回の特殊演出(小書)である小鼓、大鼓とともに太鼓がかなり長目に技を聞かせます。一時、幕は半幕になったあと、後シテの登場蓮の花のかぶり物を着け、朱色に金のきれいな装束、ワキの僧に経巻を渡してからは、ほとんどが囃子方との掛け合いのように舞が続けられ、舞う姿やことのほか紅と金色の扇も美しく映えました。

あらすじですが、念仏行者の僧が中将姫伝説ゆかりの大和国当麻寺に参詣したとき、老尼と若い女のつれが、藤原豊成の娘である中将姫の出家にまつわることを語り、最後には自らが阿弥陀如来の化身であると明かします。後場では旅僧の夢に菩薩となった中将姫が現れ、浄土経の功徳を讃えて厳かな舞を舞ううちに夜が明けていきます。

前シテ/化尼・後シテ/中将姫:観世清和、ツレ/化女:坂口貴信、
ワキ/旅僧:宝生欣哉、ワキツレ/従僧:大日方 寛、ワキツレ/従僧:御厨誠吾、 
アイ/門前の者:山本泰太郎

使用された能面
使用された能面

ジョージ について

旅行大好き、飲食大好き、劇場、博物館・美術館大好き、好奇心旺盛なごくふつうの会社員です。社会問題含め、いろいろ書いていこうと思います。
カテゴリー: シアター, 文化 パーマリンク