サントリー美術館「よみがえる正倉院宝物」展を観る

六本木の東京ミッドタウンにあるサントリー美術館。今開催中の「よみがえる正倉院宝物~再現模造にみる天平の技」を観てきました。展示は、正倉院の宝物そのものではなく、宝物を再現してつくった「模造の逸品」の数々を集めて公開されたものです。長い歴史をもつ正倉院の宝物は約9000件あるといわれますが、それらは必要になれば修理することがあります。その修理を手掛けた名工たちは、明治時代以来、博覧会を機に材料や技法、構造の忠実な再現を目指してきました。今回、最新の調査や研究の結果により生まれた再現模造がここに集結したものです。

展示は、「楽器・伎楽」、「仏具・箱と几・儀式具」、「染織」、「鏡・調度・装身具」、「刀・武具」、「筆墨」の6ジャンルに分けられています。なかでも、世界的にも稀な現存する5弦の楽器(4弦のペルシャでなくインドから起こったとされる)である、「螺鈿紫檀五絃琵琶」は、美しく素晴らしいです。8世紀のもので、たいまいと貝殻からつくられた螺鈿は、高度な技法で美しいです。演奏時に撥が直接当たるのを避けるために貼られている「捍撥(かんばち)」という部分には、ラクダにまたがって琵琶を演奏する西域系の人の姿が、ナツメヤシと思われる植物、飛ぶ鳥とともに表現されています。

なお、帰り際に寄ろうと思っていた、グッズ売り場の脇にある「カフェ 加賀麩不室屋」については、今回も目当ての「加賀麩とりどり膳」が売り切れだったため残念ながらまた、入りませんでした。

ジョージ について

旅行大好き、飲食大好き、劇場、博物館・美術館大好き、好奇心旺盛なごくふつうの会社員です。社会問題含め、いろいろ書いていこうと思います。
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