ああ、ウクライナ、ロシア ついでにベラルーシ、モルドバ

今起こっているウクライナとロシアの「軍事侵攻・戦闘状態」。悲しいことです。そもそもウクライナとロシアは、文化、民族、地域として深い関わりがあるところです。有名なボルシチはそもそもウクライナの料理ですし、ほか料理ではウクライナ餃子(ヴァレーヌィク、 ヴァレー ニキ)などもあります。スポーツの棒高跳び、鳥人のセルゲイ・ブブカは有名ですし、政治家ではレフ・トロッキー、ブレジネフ、フルシチョフなども出身者です。バレエ界では、スヴェトラーナ・ザハロワ、サラファーノフ、マトヴィエンコなどそうそうたるメンバーがいます。今、キエフの国立バレエ団には日本人もいますね・・。そもそも古代、中世のキエフ・ルーシなどがロシア、ウクライナなどの発祥ともいえるということもあります。

キエフのウクライナ国立歌劇場

武力自体、特に一般人への攻撃はきわめて問題ですが、政治的・地政学的背景を考えると、単純化することが難しく簡単には論評できません。ロシアにとっては、NATOという軍事同盟が拡充・包囲をされていくという現状があり、今まであまり情報公開されてこなかったウクライナのなかでのロシア民族への差別・攻撃がありました。しかし今回のあまりにやり過ぎともいえる行動はどうなのか。また、アメリカのバイデン大統領による中途半端な言動もあり、西側諸国それぞれの思惑もあるようでした。
昔の「キューバ危機」とその回避についてを思い出してほしいものです。

いずれにせよ、やはり日本では多くのメディア、また政治家がいわゆる「西側情報」に偏っている現実があります。一部冷静な、ときに冷厳な分析もありますが、世界のお互いフェイクも伴った「情報戦」のなか、慎重に真実に近い情報を集めて、冷静に判断していくことが大切です。そう、新型コロナ感染症やコロナワクチン、コロナ治療薬への私たちの立ち位置が、国際問題にも当然求められます。もちろん緊急の行動が意味がないとは言いません。しかし方法を考慮することは必要でしょう。いったい何をしたらよいのか??

日本としては、今回のことを正当化することはないとしても、アメリカ、西側諸国ほかが今まで何をやってきたのか、は冷厳に見つめたほうがよさそうです。大きいものだけでもイラン・イラク戦争、2003年のイラク戦争(大量破壊兵器などなかった)への関わり、参加など。日本も後者に関わってしまいました。
日本終わったことへの評価、場合によっては反省すべきなのにしないどころか、情報の記録・収集・公開すらやっていない国です。何にしてもそうです。イラク戦争については、当のブッシュ元大統領すら、イラク攻撃を決断した責任があると認めています。他の国が見送ったなか、荷担した英国についても、ブレア元首相も入手情報が誤っていたことを認めたり、国で独立調査委員会(チルコット委員会)の実に膨大な量の報告書が出て、誤りを指摘しています。日本は、自衛隊の支援を出しましたが、量的にも質的にもしっかりした検証を行ってこなかったです。

今回は、私もある程度評価していたプーチンの冷静な言論・行動からは突出している面が否めないでしょう。クリミア、ウクライナ東部の案件までは、まだ理屈が通っていたとしても今回のことは質的に違ってしまったのでしょうか。そして中立国のスイス、フィンランド、スウェーデンまでも武器を含めた援助まで言い出していることは、こちらも質的に異なった対応になっています。

今回のことは、ただでさえコロナ禍での経済の疲弊が、加えて全世界に影響を与えています。エネルギー問題にとってもダメージです。諸物価高騰もさらに続くでしょう。
日本も、軍隊がとか言っていないで、全方位外交を。また食料とエネルギーは最低限自給することが安全保障でしょう。地域の食料生産、地域のエネルギー生産・供給を見据えた政策を。

なお、日本でも冷静な分析が見られますが、例えば以下の論考などです。

『ロシアとウクライナが「こじれた」複雑すぎる経緯』的場昭弘、東洋経済オンライン

『日本はウクライナ危機にどう向き合うべきか 山本太郎×伊勢崎賢治(東京外大教授)緊急対談 緩衝国家における平和構築長周新聞

『ウクライナ指導者はロシア軍に侵攻の口実を与えてしまった』孫崎享、日刊ゲンダイデジタル

さて、過去の旅行から写真も一部紹介します。ウクライナ、ロシアは2度ずつ行きました。ヨーロッパを45カ国として、最後に行ったのがベラルーシでした。また、モルドバも2回行きました。いいところなのです。

上は、ウクライナです。ひまわり畑、キエフにある最古の教会であるソフィア大聖堂、地下鉄に乗って移動しドニエプル川の遊覧船に乗ったこと、オデッサ、クリミア半島(ツバメの巣、ヤルタ)、リヴィウ、リヴネ、キエフチェルノブイリ博物館などをとりあげました。なお、私の福島原発訪問記録は、こちらから。

上は、ロシアです。モスクワとサンクトペテルブルグをとりあげました。

ベラルーシも一部紹介します。首都のミンスクとポーランドとの国境近くにあるブレスト周辺です。赤い教会ともいわれる聖シモン・聖エレーナ教会の黒い所には、長崎の浦上天主堂から贈られたがあります。教会近くの劇場では観劇をしました。とてもりっぱな国立歌劇場では当日演目がなかったため、こちらでチケットを手配してもらいました。ブレスト要塞には、巨大なモニュメントがあります。近くのベラヴェジの森自然保護区世界遺産ですが、その野外飼育場には貴重なヨーロッパバイソンが見られます。

モルドバです。ワインの国モルドバでは、キシニョウにはギネス記録にもなっている地下200kmもの長さを持つ地下ワイナリー「ミレスチ・ミーチ」があり、見学できます。 キシニョウ の大通りには、勝利の門キシニョウ 大聖堂などもあり見所です。大聖堂は、外観は地味でも中は豪華です。

また、楽しい写真もよいですが、冷静な分析をした動画の紹介を1つしておきます。元ウクライナ大使の馬淵睦夫さんが存分に語っている、「松田政策研究所ch.」のインタビューです。YouTubeで見られるのが嬉しいですね。これをどう見るかですね。いずれにせよ、私たちは慎重に真実を探っていく必要があります。

松田政策研究所ch. 「ウクライナ危機は2014年から始まる・・」

ジョージ について

旅行大好き、飲食大好き、劇場、博物館・美術館大好き、好奇心旺盛なごくふつうの会社員です。社会問題含め、いろいろ書いていこうと思います。
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