新国立劇場演劇「イロアセル」を観る

今回も、小川絵梨子芸術監督の意向で始まった、すべての出演者をオーディションで決定する「フルオーディション企画」でした。と言っても私は今までの作品は観ていません。
今回の作品の出演者は10名です。この作品は、倉持裕さん2011年に書き下ろした戯曲を、今回自らが演出したものです。作品は、SNS社会に対する批評がベースにあり、人間の業を描いた喜劇でもあるということです。130分1幕で休みなしです。

舞台は海の向こうの小さな島。そこで暮らす島民たちの言葉にはそれぞれ固有の色がついています。その色は空を漂い、発言したすべてが誰の言葉なのかみんなにもわかってしまいます。結果、島民たちはウソをつかない、ウソをつけない。という設定で話は進みます。

あるとき丘の上に檻が設置され、島の外から囚人と看守がやって来ます。島民は彼らの前で話す時だけは、自分たちの言葉から色が消えてしまうことに気づきます。そこから生じる生活や人間関係の変化。果たしてどう進むのでしょう?

作品に出てくる「カンチェラ」というスポーツが面白いです。クリケットの道具を大きくしたような、その道具を使用しての演舞。舞台ではライのみ練習風景が演じられます。年齢、男女いろいろな登場人物での生き生きとした演技に130分はあっという間でした。ただし、今回料金を抑えるため、2階席の舞台に近い右上を選びましたので、若干首が痛いです。

キャスト
伊藤正之(看守)、東風万智子(ナラ、前科のある女)、高木 稟(エルデ、カンチェラ審査員)、永岡 佑(グウ、グウ電子社長)、永田 凜(アズル、カンチェラ選手・前チャンピオン)、西ノ園達大(バイツ、町議会議員)、箱田暁史(囚人)、福原稚菜(ライ、カンチェラ選手、現チャンピオン)、山崎清介(ポルポリ、島の有力者)、山下容莉枝(ネグロ、町長)

ジョージ について

旅行大好き、飲食大好き、劇場、博物館・美術館大好き、好奇心旺盛なごくふつうの会社員です。社会問題含め、いろいろ書いていこうと思います。
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