雅楽公演「五行の環」を聴く

今まであまりなじみのなかった公演を聴い(観)てきました。雅楽です。会場は国立劇場小劇場です。この劇場は500人強が入れますが、ほぼ満員だったようです。席は、実際上の一番前(1列目がコロナ対応で使用しないため)でしたが、左の端の方だったので全体像は見にくかったものの、まずまずでした。舞台を移動しながらの演奏だったので、すぐ近くで聴く場面もありましたし。

今回の公演は、民間団体の伶楽舎(れいがくしゃ)によるものです。私は初めての体験だと思います。とても新鮮でした。始まって途中に挟んだ解説(遠藤徹さん)と解説文書を見るなどしてだんだん理解が進んできました。

雅楽はまさに管弦楽です。つまり、管楽器(龍笛、笙、篳篥など)弦楽器(琵琶、箏)打楽器(太鼓、鉦 、鞨 など)から構成されて音を紡ぎます。楽器は、それぞれ特徴的ですが、なかでもやはり管楽器が興味深いです。笙(しょう)と篳篥(ひちりき)はとりわけ音も高く特徴的で曲全体を導きますので、耳に一番入ってきます。またリード(簧/した)を持たない管楽器のも重要です。は前半、後半で1回ずつ入りました。前半の「相生(そうしょう)」では面をつけない2人によるもの。後半の「相剋(そうこく)」では、面をつけて1人が舞いました。

今回の公演・「五行の環(わ)」は、もとは古代中国で始まった五行説(木火土金水)と雅楽との結びつきを管弦楽の編成で行ったものでした。「相生 土ー金ー水ー木ー火」は五気が生かし合う関係性を、「相剋 水ー火ー金ー木ー土」は五気が打ち克ち合う関係性をいうようです。それぞれの演奏は曲が変わると、下記に示すように位置を変えて行われました。位置は方位、色で分けられています。また、『青海波』、『越殿楽』、『陵王』の3曲は調子(音階)を変えて演奏されています。
理論は難しいですが、まずは感じることで楽しむことができました。

ジョージ について

旅行大好き、飲食大好き、劇場、博物館・美術館大好き、好奇心旺盛なごくふつうの会社員です。社会問題含め、いろいろ書いていこうと思います。
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