渋谷区立松濤美術館「デミタスカップの愉しみ」展

巡回で開かれていた村上和美さんのコレクション(何と2000点以上を集めていて、そのうち今回は380点ほど来ているといいます)を紹介する「デミタスカップの愉しみ」展が東京にやってきました。公開場所は渋谷区立松濤美術館です。こちらは、現在受講しているよみうりカルチャー恵比寿「初心者のための洋食器講座」の野外講座の扱いにもなっていまして、私はそれを含めて複数回行って観てきました。こちらでの展示は、土日祝日と会期終了前6日間はすべてオンラインでの日時指定制となっていました。また別会場では許されていた写真撮影は、3点(セット)のみが可能なだけでした。まあ、東京は人が多いですし、途中まで緊急事態宣言下だったのでしかたないですね。実際見応えはかなりあり、写真など撮っていると集中できなかったでしょうし。とにかく点数が多く多様ですが、全体としてジャポニスムや、アール・ヌーヴォー、アール・デコのデザインを中心にということで構成されていました。

展示は、2部構成です。会場も地下1階と2階にちょうど分かれていました。地下1階の第1部は、「デミタス、ジャポニスムの香り」がテーマです。シノワズリー、ジャポニスム、アール・デコなどの歴史の流れを追うとともに、日本のデミタスカップなども多く展示されていました。
2階の第2部は「デミタス、デザインの大冒険」で、様々な観点から、デミタスの世界の多様さを感じることができました。視点は例えば、ガラスのデミタスカップ形や装飾の面白さ華やかな技巧飲み物をいれての上からの見え方の面白さデミタスの集合、そして村上さんの特にお気に入りのコレクションの部屋もありました。

野外講座としては、初めにいくつかテーマを与えられ、またブランド探しのチェックなど複数の視点を持って臨むことも要望されました。
そして、最後にお互いのお気に入りや、感想などを皆で共有しました。前後の集合は外での広いところで行いました。
私は、過去に追っていたことがある「ジョルナイ」が3点あったこと、チェコの窯からのものもガラス(モーゼル)以外でもけっこうあったこと、ドイツの「ニュンフェンブルグ」や「カール・ティーメ」など今まであまりなじみのないものの発見などや、ミントンはミントンブルーの美しい作品はもちろんそれ以外でも惹かれるものが多かったこと、等々を発言しました。作品で「もし1点を購入できたら」というテーマでは、とても甲乙がつけがたいですが、強いて言うとミントン(ティファニーの発注品)の「金彩花卉文」(1883年)、2位としてやはりミントン(ティファニーを通じてのエルバート・H・ゲイリーの発注品)の緑地に金彩のもの(1911年)をあげてみました。
さらに後で考えたことですが、ここにない窯や作品はという観点でも振り返ることが可能かなと思いました。

2012年4月11日、コールポートの「金プラチナ彩菊花文」(1881-1890年)から始めた村上さんのコレクションは、フェイスブックでも紹介されています。インスタグラムはこちら。村上さんも飾っておくだけでなく、使うことの愉しみを言っていますが、総じて豪華、華やかなコレクション群でした。私も、今まで少しながらティーカップ&ソーサーなどを購入・使用してきてからは、とても使えきれないということ、置く場所の問題や購入予算などから、デミタスカップを優先して少しずつ買うようになっていました。私のは比較的新しいものですし、量産品がほとんど庶民の愉しみでしかないですが、またいずれこのブログでも紹介してみましょう。いずれにせよ、デミタスカップの多様な世界は楽しいですね。

ジョージ について

旅行大好き、飲食大好き、劇場、博物館・美術館大好き、好奇心旺盛なごくふつうの会社員です。社会問題含め、いろいろ書いていこうと思います。
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