Bunkamuraザ・ミュージアム「古代エジプト展-美しき棺のメッセージ」を観る

緊急事態宣言等で博物館が閉館となる前に何とか行ってきました。この展覧会は、世界の博物館でエジプト文明の所有物が多いところのうち、ヨーロッパでの5大エジプトコレクションの博物館(ほかはフランスのルーブル美術館、英国の大英博物館、ドイツベルリンの新博物館、イタリアトリノのエジプト博物館ということです)のひとつである、オランダの「ライデン国立古代博物館」所蔵のものが250点くらい来ているというものです。

古代エジプト展のポスター
古代エジプト展のポスター

今回の展覧会の目玉は、出品ミイラのCTスキャンの研究成果を公開していること、12点の棺を並べて立てた形での立体展示をしていること、でしょうか。特に棺は、時代により装飾、色合い、文字の有無、手腕の表現、下の部分の形などが変わっていること等々、比べながらじっくり観察できます。 

エジプトコレクションを持つ博物館を整理しているサイトを見つけました。その中で、ヨーロッパでなく最大規模のコレクションは、古めかしいのはともかくとして、もちろんエジプトのカイロにあるエジプト考古学博物館(カイロ博物館)ですね。
ちなみに日本のJICAも支援していた「大エジプト博物館」については、私はこれができてから本格的なエジプト観光旅行をしたいな、と思っていましたが、延期延期でようやく2021年に開館したらしいです(正確には名称が変わっているので未確認です。このニュースがこれにあたるのでしょうか)。

私は、エジプトは、カイロ、ギザ周辺だけのスポット観光しかしたことはありません。いわゆる3大ピラミッドの造営時期は現在より約4500年前の紀元前2500年頃とされ、いずれもエジプト第4王朝期に建設されています。これらは古代エジプト王国のファラオの墓陵であり、被葬者はクフ王、カフラー王、メンカウラー王とされています。
また、それらの近くにある大スフィンクスも見学しました。スフィンクスは古代エジプトでは、王(ファラオ)の顔とライオンの身体を持つ神聖な存在です。

古代エジプト文明の歴史をおおざっぱに見ておきます。古王国(前27世紀―前22世紀)・中王国(前21世紀-前18世紀)・新王国 (前16世紀-前11世紀)の時代に大きく分けられます。

古王国時代は、ジュセル王が階段ピラミッドをサッカラに建造した第3王朝から第6王朝あたりを指します。ギザの3大ピラミッド建築はこの時代です。太陽神のラー信仰が重要になります。

 
中王国時代は、第11王朝のメンチュヘテプ2世によるエジプトの再統一から第13王朝あたりを指します。この時代は、今までの中心地メンフィス(ギザ周辺)からナイル川の800kmもの上流のテーベ(ルクソール周辺)に政権が移った時代です。巨大な王墓建築が復活し、文学が花開いた時代とされます。太陽神アメンや冥界の神オシリスなどが重要とされました。


新王国時代は、エジプト第18王朝の王イアフメス1世が第15王朝(ヒクソス)を滅ぼしてエジプトを再統一してから第20王朝あたりを指します。古代エジプト文明が最も栄えた時代とされています。アメンヘテプ3世、4世のアメン信仰から太陽神アテン信仰への移行などからアマルナ美術様式が生み出されたものの、以後再びアメン信仰に戻ってしまいます。特にラムセス2世は最大の王ともいわれ、このときが最も繁栄した時代です。多様な文化が展開され、特に有名な遺跡でも、王家の谷(テーベの岩窟墓群)ハトシェプスト女王葬祭殿、(さらに上流のアスワンからスーダンにかけての)ヌビアのアブ・シンベル神殿などがあり、また有名なトゥトアンクアメン(ツタンカーメン)はこの時代ですね。


その後、中間期、末期を経てアレクサンダー大王支配前4Cくらいから紀元後4Cあたりのグレコ・ローマン時代へと移っていきます。

おおまかに時代を把握しておくと、理解しやすくなりますね。

ジョージ について

旅行大好き、飲食大好き、劇場、博物館・美術館大好き、好奇心旺盛なごくふつうの会社員です。社会問題含め、いろいろ書いていこうと思います。
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