歌舞伎座5月大歌舞伎を観る

今月は、歌舞伎座第2部の公演を観てきました。演目は、『仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)』。人気作です。「仮名手本忠臣蔵」は、もともと竹田出雲、三好松洛、並木千柳の合作による人形浄瑠璃から始まった歌舞伎で、いわゆる赤穂浪士の仇討ちですが、太平記に設定が移されています。
今回の上演はそのうち、「浄瑠璃 道行旅路の花聟」「六段目の与市兵衛内 勘平腹切の場」です。前半は、早野勘平が腰元おかるとの逢瀬で、主君の大事に居合わせなかった後悔をしながらも2人で落人としての旅路を続けます。そこでの2人の気持ちのやりとり、また後から出てくる横恋慕の鷺坂伴内や多くの手下を片付けるところが描かれます。
優雅で軽やか、色彩も豊かな舞踊的な所作事で、清元によって軽快に進んでいきます。浄瑠璃のメインな方が体調のせいか、若干苦しそうな部分がありましたが、何とかやりきりました。満開の桜の表現も鮮やかでした。

早野勘平:中村錦之助、鷺坂伴内:中村萬太郎、腰元おかる:中村梅枝

後半の六段目は、女房おかるが身売りする状況が描かれることと同時に、猟師になった勘平が誤って人を撃ち、財布を取ってしまい、それが妻の父だったと思い込み、悩む。そこに訪れた千崎弥五郎と不破数右衛門にも責められ腹を切るが、実際は違った。仇討ちの連判状に血判を押すことを許されつつ、死んでいく。というような、かなり複雑な筋書きの緊迫感ある舞台でした。

早野勘平:尾上菊五郎、女房おかる:中村時蔵、千崎弥五郎:中村又五郎、伴人源六:市村橘太郎、母おかや:中村東蔵、一文字屋お才:中村魁春、不破数右衛門:市川左團次

ジョージ について

旅行大好き、飲食大好き、劇場、博物館・美術館大好き、好奇心旺盛なごくふつうの会社員です。社会問題含め、いろいろ書いていこうと思います。
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