アフリカのお茶事情

先月、久しぶりにリプトンティーハウスの講座「ワールドツアー:お茶を巡る旅」に行ってきました。今回は、アフリカのお茶ということで、紅茶に限らずその他の茶やカメリア・シネンシスでない飲料についてもの、幅を広げての講座です。今回は、その一部紹介とそこから発展させての情報紹介です。
アフリカは54カ国からなり、面積・国数が世界の4分の1前後もあります。地域を大きくサハラ砂漠の南北2つに分けることもありますが、5つに分けることもできます(北アフリカ・西アフリカ・中部アフリカ・東アフリカ・南部アフリカ)「お茶」関係ではそのうち3つの地域が重要なところです。

北アフリカは、マグレブ(マグリブとも、日が沈む国)と重なるところも多く、現在はイスラム圏でミントティーなどが一般的です。モロッコが例示されました。中国産の緑茶を使い、自生するミントを入れて煮出し、多量の砂糖を入れて飲みます。暑い気候に合いますね。

東アフリカは、英国・ベルギー・フランスなどの植民地であったこともあり、お茶栽培に適したことで現在も紅茶の生産が多い地域です。アフリカでの98%以上がここで生産されています。特にケニアはそのうち65%以上もの生産量がありますが、ほかにもウガンダ、マラウィ、タンザニア、ルワンダ等でも生産されています。ここではケニアが例示されました。生産は大企業で大規模に行われることが多く、管理も徹底され異物混入も少ないです。また重大な害虫も少なく、もともと雑草も生えにくいことからずっと無農薬で、年間通じて品質が安定しているとのことです。量としてはCTCが多く水色はきれいでタンニンが少なく、香りが弱めで、どちらかというと特徴がないのが特徴とされます。ブレンドティーアイスティーに適しているとされます。ミルクティーにもよいですね。

ミルクティーと菓子(リプトンティーハウス銀座)食器:ウェッジウッド コーヌコピア

現在は多様化し、差別化をはかるとして高品質のものも出てきていて、一部オーソドックス製法を採用しています。今回、試飲したものは、もともと突然変異で生まれた新品種の「パープルティー」と呼ばれるもので、植物体自体にアントシアニンが多く茶畑が紫に見えることから名付けられました。ケニア茶葉研究財団(旧国立茶業試験場)が25年間にわたる研究によって、2012年に商業栽培に成功した茶樹です。一心二葉で摘み、すぐに蒸気をかけるという緑茶に似た製法で加工し、できた紅茶も抗酸化物質が多いといいます。

パープルティーは、レモンを入れると(酸性にすると)赤くというか明るい水色になるのも楽しいです。水色(すいしょく)の変化は、アントシアニンに近い物質であるカテキン(両者ともポリフェノールであり、その中の分類であるフラボノイドのひとつという位置づけ)によるものでしょうか。そのままの色でも、濃い赤銅色にほのかな紫色が入っている感じがします。

南部アフリカは、以前から飲まれていたカメリア・シネンシスでない、マメ科の植物であるルイボス(アスパラサス・リネアリス)の「茶」(つまりルイボスティー)が紹介されました。ルイボスは、南アフリカの有名なケープタウンから250kmくらい北上した、セダルバーグ山脈の高地、雨が少なく寒暖差が激しいとても過酷な環境でのみ生育する植物ということです。ほかの場所では生育できないようです。ルイボスの紹介はこちら
ルイボスティーは、上記の物質フラボノイドが豊富に含まれ「抗酸化作用」が強いといわれ、カリウム・マグネシウム・カルシウムなどのミネラルも多いです。またカフェインが含まれないのが特徴で(そのせいか他の飲み物より味わいがやや物足りないかも)、一方フラボノイドの一種であるカテキン(タンニン)は少ないようです。

日本では、それぞれの地域のもの、飲み方がすべてできますので、好みで試してみてはいかがでしょう。お茶については、伊藤園のHPがわかりやすいので紹介しておきます。

ジョージ について

旅行大好き、飲食大好き、劇場、博物館・美術館大好き、好奇心旺盛なごくふつうの会社員です。社会問題含め、いろいろ書いていこうと思います。
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