ミュージカル「マリー・アントワネット」とウィーンミュージカルについて

渋谷の東急シアターオーブ「マリー・アントワネット」行ってきました。人気ミュージカルですが、発売後からはコロナ対策のため、一部開始時間繰り上げや当日券等発売中止などの措置がとられました。
1幕:1時間20分、休憩:25分、2幕:1時間15分のけっこう長い作品です。
私は、これはウィーンミュージカルだと思い込んでいました。あのミヒャエル・クンツェ&シルヴェスター・リーヴァイの脚本・音楽コンビによるものだったからです。「エリザベート」、「モーツァルト」、「レベッカ」等々で有名なふたりです。
実際は、遠藤周作原作「王妃マリー・アントワネット」より生まれた日本発のミュージカルでした。2006年に栗山民也の演出により日本で初演、ドイツ、韓国、ハンガリー等に渡り、その後ロバート・ヨハンソンによる新演出2018年から公開され、今回がその再演版になります。

脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ、音楽・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ、演出:ロバート・ヨハンソン、翻訳・訳詞:竜 真知子、音楽監督:甲斐正人、振付:ジェイミー・マクダニエル

キャストは以下の通り。
マリー・アントワネット:笹本玲奈、マルグリット・アルノー:ソニン、フェルセン伯爵:田代万里生、ジャック・エベール:上山竜治、オルレアン公:小野田龍之介
ここまでは、中心Wキャストで、私が行った日はこのキャスト、ということです。

ルイ16世:原田優一、レオナール:駒田 一、ローズ・ベルタン:彩吹真央、ランバル公爵夫人:彩乃かなみ、ロアン大司教:中山昇、べメール:中西勝之、ギヨタン博士:朝隈濯朗、ロベスピエール:青山航士、ダントン:原慎一郎、ラ・モット夫人:家塚敦子、マリー・テレーズ:山本花帆、ルイ・シャルル:土屋飛鳥

あらすじです。いわゆる「パンがなかったらケーキを食べれば」という言葉に象徴される飢えに苦しむ民衆と贅沢な暮らしをする貴族たちとの対比。ただし必ずしも単純でない図式で、国王ルイ16世は財政が苦しいことに悩み、それなりに国民にも正対している人物ではあるし、マリー・アントワネットは愛人を持ちつつやさしい人物でもある。それでも勝手な上流階級に対して賢いが貧しい娘マルグリット・アルノーは革命の道へと進み始めるが、そこに陰謀も絡み合っていく・・。

後半、ほろりとさせられました。また飢えや貧困は苦しいけれど、暴力の連鎖も恐ろしいです。最後の「どうすれば世界は」は、観ている人への問いかけでもありますが、この曲・歌が舞台の悲しさを救っています。「どうすれば変えられる この世界を」、やめようよ暴力の連鎖を、ですね。

声や歌は、特に笹本玲奈、ソニン、そして原田優一が印象に残りました。全体的にもよかったです。いくつか、紹介リンクを貼っておきます。熱い劇場の雰囲気なら。歌の様子なら。

ちなみに、ミュージカルはアメリカ・ブロードウェイの本場は3本経験済み。イギリス・ウエスト・エンドは行ったことがありません。ウィーン・ミュージカルは、独特の世界がありけっこうはまりますが、本場ウィーンでは、「レベッカ」を2007年だったかの日本公開前に観てきました。レベッカはサスペンスでストーリーもドキドキですが、曲・歌が特に素敵で心に残り大好きです。日本のもののリンクを貼っておきます。

追加でレベッカの一番印象的な歌に焦点を当てたものも貼っておきます。日本のものは、こちら。圧倒的歌唱力場面も映したものなら、韓国のものですが、こちら。

ウィーンのライムント劇場
ウィーンのライムント劇場

ジョージ について

旅行大好き、飲食大好き、劇場、博物館・美術館大好き、好奇心旺盛なごくふつうの会社員です。社会問題含め、いろいろ書いていこうと思います。
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