映画「ルーブル美術館の夜-ダ・ヴィンチ没後500年展」とアブダビ体験を少し

渋谷Bunkamura ル・シネマで行われた美術館の映画に行ってきました。世界最大にして入場者数も最も多い「ルーブル美術館」。そこで、有名な芸術家「レオナルド・ダ・ヴィンチ」(1452-1519)の没後500年展が、2019から2020年に行われました。107万人もの観客が訪れたということです。これを映画化したのが、この作品です。
監督:ピエール=ユベール・マルタン、2020年/フランス作品、95分

ルーブル美術館の夜 ポスター
ルーブル美術館の夜 ポスター

映画は、あたかも私たち自身が入り口のガラスのピラミッドから入館して、展示に入って行き出てくるまでという体験をしているように進みます。案内役は、まさにこの展示の企画・準備をした、絵画部門主任学芸員ヴァンサン・ドリューヴァン素描・版画部門統括学芸員ルイ・フランクで、丁寧な説明をしてくれます。心地よい音楽と詳しい説明、映画館は暗いこともあって、正直少し寝てしまう瞬間があったことは事実です。

ダヴィンチの作品紹介は、16の絵画と素描の数々です。「絵画は科学である」と言い、テンペラから油絵具使用への転換、素描はいかに生き生きと表現しているかの説明が詳しく語られます。(「最後の晩餐」については、壁画なのにフレスコでなくテンペラを使ったこともあり、劣化が早くから起こったようです)

モナリザだけは、特別展会場には置けずに、いつもの場所での展示になったとのことです。
これは、特別展は1万人規模であるが、モナリザを観に来る人は3万人規模というキャパシティの問題からです。以前、冬に3日かけて、ルーブル美術館を観たことを思い出しました。平日、休日、午前・午後・夕方。いつ行ってもこんなに混んでいる美術館というか博物館は初めてだと思いました。

今回、この映画でも紹介されていた「ミラノの貴婦人の肖像」(ラ・ベル・フェロニエール)について、2018年に行ったUAE(アラブ首長国連邦)のルーブルアブダビでの実物見学も紹介しましょう。フランス国外でのルーブル美術館の初めての別館2017年11月にオープンした素敵な美術館です。サディヤット島にあり、海の近くです。フランスの建築家ジャン・ヌーヴェルが設計。内部の木漏れ日のような空間も素敵です。ここで、貸し出された「ミラノの貴婦人の肖像」ほか、様々な作品を観ることができました。

ミラノの貴婦人の肖像
ミラノの貴婦人の肖像 ガラスの反射を避けて斜めから撮影

この時期は、ダヴィンチの本当の作かどうかは議論がありますが、史上最高4億5千万ドル(約500億円)もの高値サウジアラビアの王子などによって落札されたと見られる「サルバトール・ムンディ」(救世主)が、展示され観られるかもしれない、もしかして日本人で初めて観たグループになるかも・・・と期待していたものでした。結局、かなわず。そして今回の没後500年展の時も所在が分かっていないようですね。果たしてどこにあるのでしょう。

ちなみにここでは、「ベルナール峠からアルプスを越えるボナパルト(ナポレオン)」(ジャック=ルイ・ダヴィッド作)なども観ることができました。大きな作品です。この作品には5つのバージョンがあるとのことですが、これはベルサイユ宮殿のものでしょうか。

ベルナール峠からアルプスを越えるボナパルト(ナポレオン)
ベルナール峠からアルプスを越えるボナパルト(ナポレオン)

もうひとつ追加しました。素敵な像ですね。25cmくらいのこの女性の小像は、オクサス文明に属するといわれています。年賀状にも使用した画像です。

「羊毛の衣服に身を包んだ女性」中央アジア、バクトリア 紀元前2300-1700年
「羊毛の衣服に身を包んだ女性」中央アジア、バクトリア 紀元前2300-1700年

追加 ルーブル美術館の作品、48万2000件以上のものがオンライン公開されたようです。

こちらからです。また、ルーブル美術館のサイトもリンクしておきます。

ジョージ について

旅行大好き、飲食大好き、劇場、博物館・美術館大好き、好奇心旺盛なごくふつうの会社員です。社会問題含め、いろいろ書いていこうと思います。
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