食器のウィローパターンとは

昔からの紅茶好き(近年はコーヒーもよく飲みますが)、それに伴ってティーカップその他の食器・陶磁器にも関心があります。
今回、食器に描かれた模様について、勉強してきました。そのひとつ、英国・西洋などで伝統的に描かれた模様のひとつが、ウィローパターンです。ウィローパターンは、直訳するとwillowつまり「柳模様」のことなのですが、柳・二羽の鳥・3人の人物・橋・楼閣(ティーハウス)・小舟・柵などが一緒に描かれたものです。時代、メーカーによっても描かれ方・ニュアンス・要素・数なども異なるようです。日本のメーカーでもそのような模様が描かれているものもあります。

17世紀から18世紀にかけて、ヨーロッパ諸国は中国景徳鎮磁器を大量に輸入していたのですが、このような機会を通して異国へのあこがれからか、中国趣味の美術様式が流行するにいたったようです。これがシノワズリーです。その中で、流行した模様のひとつが、このウィローパターンというわけです。初めは手描きで王侯貴族の間に流行し、銅版転写の技法のものも増えてくると、少しずつ一般の人々の間にも広がってきたようです。しかし、今の転写紙を使った印刷工法での作成ではないので、手描きから銅版転写になったとしてもすぐに大量生産ができたわけではないようです。また、銅版に模様を描くのもエッチング(化学腐食を利用した凹版技法)ではなく、エングレービング(ビュランという道具で線を彫っていく凹版技法)が多かったようで、熟練の技術が特に問われたようです。

古い中国の話として、親から一緒になることを反対された男女の悲しい恋の物語が関係している、などといわれたのは後の世のことで、ウィローパターンの流行のほうがのことらしいです。

アンティークや現代の食器を見て、描かれている模様を比べてみるのも楽しいものです。

Cha Tea紅茶教室より ウィローパターン
Cha Tea紅茶教室より

ジョージ について

旅行大好き、飲食大好き、劇場、博物館・美術館大好き、好奇心旺盛なごくふつうの会社員です。社会問題含め、いろいろ書いていこうと思います。
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