今年行ってきたセーヴル展。渋谷区立松濤美術館でやっていました。セーヴルのデザインは、西洋磁器のスタイルの基になったものです。この企画展は、「国内のコレクションを集めることにより、ルイ15世からナポレオン帝政時代を中心に、ポンパドゥール侯爵夫人、マリー=アントワネット王妃、ジョゼフィーヌ皇后やマリー=ルイーズ皇后などの妃たちが愛したセーヴル磁器の魅力を紹介するもの」(企画展案内による)ということでした。
なかでも、町田市立博物館(現在休館中で、2029年春頃に(仮称)町田市立国際工芸美術館として開館する予定らしい)が所蔵する「河原勝洋コレクション」については、ヴァンセンヌ窯およびセーヴル窯のカップ&ソーサーに特化した110件余りからなる作品群で、西洋独自の飲食器文化の萌芽とその展開を一望できるもので、この企画展では30件が紹介されていました。
セーブルは、もともと王侯貴族向けの注文生産であったために、一般ではなかなか見たり使用する機会がないものなので、貴重なひとときでした。セーブルそのものではないですが、マリーアントワネット王妃のためにつくられたデザインの、私が持っているカップについては、こちら。
企画展は撮影が一切できませんでしたので、内容紹介している「美術展ナビ」のリンクを貼っておきます。
さらに、今回はたまたま当館学芸員による美術館の建物・施設の案内の機会もあり、貴重な体験でした。
松濤美術館の建物は、哲学的な異色の建築家である白井晟一(せいいち)(1905-1983年)の設計によるもので、外壁に使われている花崗岩(紅雲石・韓国産)や館内の噴水、光天井として用いられているオニキス、調度など興味深いものが数多くありました。














