この美術館、休館か廃館かとの噂が出たとき、一度行ってみようと思い、昨年行ってきました。ドイツを拠点に活動する西川勝人(1949–)の『西川勝人 静寂の響き』展をやっている時期でした。
今は、新たな方針も決まって3月31日まで当地では最後のコレクション展をやっているようです。コレクションがさらに多く観られるようですが、混んでいるようですし、何しろ遠い。あらためて行くことはしません。
さて、佐倉にあるこの美術館、行きは東京駅から日に1本あるバスで行きました。帰りは京成電鉄で。天気は必ずしもよくありませんでしたが、なかなか心地よい空間でしたね。何しろ3万坪もの庭園の中にある空間が贅沢な美術館なのです。
美術館の建物内に入ると一切写真撮影禁止で、作品どころか素敵な建築・設備も撮ることはできませんでした。それはそれで、じっくり作品や建物の空間を味わう機会にもなり潔いとは思いますが、局所的に開放してもよいのではと思いました。
こちらのコレクションは、明治時代創業にして印刷インキの世界企業であるDIC株式会社の総合研究所があるところに造られたものです。もともと経営環境により変動があり得る形で運営されてきたのでしょうが、美術は誰のものか、公共の役割とは、などいろいろ考えさせる出来事でした。
館内に入ると、エントランスホールのランプシェードやステンドグラスが素敵でした。また、西川勝人さんの彫刻、写真、絵画、ドローイング、インスタレーションなど様々な作品群は、地味ながら実に味わい深い展示内容でした。そして、美術館のコレクションで公開されていたものは、レンブラント『広つば帽を被った男』、フジタ、ピカソ、プランクーシ、ユトリロ、ブラック、シダネル、フランク・ステラなどがあり、さらにマックス・エルンスト、マン・レイ、サム・フランシス、ポロックなど様々な作品がありました。そしてマーク・ロスコの作品で独立したやや暗い部屋・ロスコルームというのも有名ですね。じっくり観てきました。