チャイコフスキー作曲3大バレエのひとつ、『眠れる森の美女』を観てきました。この作品を観るのは久しぶりですね。正直なところ、3つの代表作の中では、あまり好きなものではありませんでした。でも再度偏見無く味わってみようと今回はチャレンジしました。
なお、この作品は2014年の再演です。プロローグ40分 休憩25分 第1・2幕65分 休憩25分 第3幕45分
プロローグは、宮廷での祝祭。妖精が一人ずつきれいな踊りを見せます。全体的にマイムも多く、あでやかですが、物語に沿ってゆっくりと筋・踊りが進んでいきます。後半、招待されなかった悪の精カラボスが出てきて暗転、舞台の雰囲気がガラッと変わります。リラの精とマイムを交わした対決も興味深いです。
1・2幕では、前半、オーロラ姫16歳の誕生日の宴。老婆が渡した花束に隠されていた針を刺してしまい深い眠りにつきます。
後半、長い月日が流れ、デジレ王子に助けられたオーロラ姫はキスで100年の眠りから目覚めます。その後のオーロラ姫とデジレ王子の踊り(イーグリングにより挿入された「目覚めのパ・ドドゥ」)はとても息が合っていて素晴らしかったです。
3幕は、婚礼の祝祭の日。最終へ向けて一人また二人の踊りのオンパレード。キャラクターもいろいろ登場し楽しい踊りを見せてくれます。おまけのようなこのような3幕が私の好まない理由のひとつではありますが、それなりには楽しめました。以前の記事でも、少し触れていました。
あらためて全体を振り返ると、古典の様式を残しながら、ところどころ現代性をちりばめていたせいか、違和感は少なく溶け込めた感じでした。
新国立劇場のバレエの客席は、今まで男性も多いという印象でしたが、今回は女性率が高かったように思いました。作品の性格によるものでしょうか。
今回、いくつかの公演日で何人かのキャストが体調不良のため交代などがありましたが、そのうちのひとりの米沢さんも「リラの精」として戻ってきてくれてよかったです。やはりピリッと締まりますね。
振付:ウエイン・イーグリング(マリウス・プティパ原振付による)
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
編曲:ギャヴィン・サザーランド ゲストコーチ:ジョナサン・ハウエルズ
美術:川口直次 衣裳:トゥール・ヴァン・シャイク 照明:沢田祐二
指揮:ギャヴィン・サザーランド 管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
【主なキャスト】
オーロラ姫:柴山紗帆 デジレ王子:福岡雄大
リラの精:米沢 唯 カラボス:山本涼杏
エメラルド:飯野萌子、サファイア:広瀬 碧、アメジスト:赤井綾乃
ゴールド:中島瑞生 フロリナ王女:直塚美穂 青い鳥:森本亮介
長靴を履いた猫と白い猫:宇賀大将、原田舞子
赤ずきんと狼:五月女遥、小柴富久修 親指トム:山田悠貴