宇都宮に行ったついでというか、そもそもこの美術展があったのも行った要因のひとつだったのですが、宇都宮美術館『イヴ・ネッツハマー~ささめく葉は空気の言問い』を観てきました。イヴ・ネッツハマー(1970- )はスイスの現代美術を代表する作家で、独特な映像作品やインスタレーション(制約のないメディアやオブジェなどにより、空間全体を体験させるような表現手法)が持ち味なようですが、私はあまり知りませんでした。
本当の意味での現代美術をあまり観る機会が少ない日本、またとりわけインスタレーションについては、展示期間だけの一時的な設置のものがほとんどで、作品は設置場所に固有なものが多い、ということからも一期一会を求めて行ったということで、期待がありました。また、展示は、過去に評価を得た映像作品だけでなく、大谷石採掘場がある宇都宮との出会いから生まれた現地での新作インスタレーション等も含んでいました。単館企画です。
美術館までのバス便の少なさや次の予定もあり、滞在時間は限られていましたが十分刺激的でした。特にインスタレーションは展示室全体を使った大がかりなもので、竹を使った装置であり、加えて映像や個別のオブジェも含む壮大な作品でした。「鹿威し」が思い起こされるように、3箇所だっかの天井から吊された竹の動きから生まれる接触音が微妙で面白かったです。
映像作品は、4本。長いものが2本もあり、すべては見られませんでしたが、水、顔のない人物など、深層に潜り込むような独特な世界がくせになりそうでした。常設展は休止中でしたが、貴重な機会に出会えてうれしかったです。
開催期間は、2024年3月10日[日]~ 5月12日[日]です。
イヴ・ネッツハマー のサイトは、こちら。
過去に撮った宇都宮の大谷石関係のものも少しあげておきましょう。大谷資料館・地下採石場跡、カトリック松が峰教会(スイスの建築家マックス・ヒンデル設計のロマネスク・リヴァイバル建築。大谷石が使われている。ヒンデルは函館のトラスピチヌ修道院の再建も行っている。)
私の函館の情報は、こちら。