今さらですが、もうすでに始まり、賛否が当然ある、福島第一原発からのトリチウム水のことです。私は汚染処理水と呼びますかね。処理汚染水と呼ぶ人もいますね。処理水と呼ばないことや汚染水と言ったことに圧力をかけたり、批判することには反対です。
通常運転の原発の炉を外から水で冷やし、避けられない反応によってできてしまう放射性のトリチウムと原発事故で大きく汚染された水を集めてALPS処理し、ある程度放射性元素を取り除いたもので、特に処理できないトリチウムが残ったものとは違います。
トリチウム自体の危険性については科学的に両論あるとしても、そもそも今のタンク類のうちトリチウム以外のものが含まれているのは、実は7割もしくは6.5割あると東電も認めています。私も福島原発見学時に質問して、東電は答えているのです。それをさらにALPS処理して果たしてとり除けるものなのか。そもそも放射性核種の総量はどれくらいとか、今公表されているデータはごく一部のサンプリングに過ぎないとか、さまざま問題があります。そもそも未だ非常事態宣言が続く中、この度の汚染処理水排出は、廃炉へ向けての作業とは関係ないことが問題です。
では、東電、日本政府は他に方法があったのにも関わらず、なぜこのようなことをやったのか。1つはこの方法は安上がりとみられていたからでしょう。実際は周辺対策、風評対策含め金額はバク上がりです。またもう1つ根本には、日本がもくろむ、六ヶ所村再処理工場から出るトリチウムは稼働してしまうと桁違いになることが見え見えなので、これはやるしかないと考えた結果でしょうか。こちらは、プルトニウム、ウランなど日本が核兵器をも作れる手段をもつことにもつながっているようです。
根本をコンパクトに伝えているものとして、先日概要版が公表された以下のものを紹介しておきます。デブリの処理はほとんど手つかずですし、さらにデブリだけが問題ではない、今なおダダ漏れの汚染水をどうにかしないと、など危ない問題も語っています。