今回、日本の複数箇所から香りがよいことで有名なヴェルガモットの果実を取り寄せましたので紹介します。ヴェルガモット(Citrus bergamia)は柑橘類で、主要産地はイタリアです。紅茶好きはよく知っていると思いますが、もともと「アールグレイEarl Grey」紅茶の、香り付けに使われている果実です。
諸説あるようですが、19世紀に中国に行っていた使節団が英国に戻ったときに贈られたフレーバーティーを、首相も経験したチャールズ・グレイ伯爵(1764-1845年)が気に入ったことに由来するなどと言われています。
再現されたものは中国系の穏やかな紅茶(キーマン、正山小種など)等に、レモンより香りが強く、苦くて飲食には適さない果実の精油が使われたようです。つまりアールグレイは品種名ではないのです。いわゆるフレーバーティーの一種です。アールグレイはタンニンが少なめの茶葉を使用していることや柑橘のさわやかな香りなどから、夏などによく飲まれるアイスティーにも向いているものです。紅茶ブランドによって作り方、味わいが微妙に異なります。トワイニングとともに本家本元と称するジャクソンを紹介しているサイトをあげておきます。
やはり自分で好みの茶葉を選んで、ベルガモットを短時間香り付けに使い味わうのは最高ですね。
ここではキームン OP(オレンジペコ)の紅茶とタンザニア リビングストー二ア CTCの紅茶で試しました。前者は落ち着いていてかつ個性的な味わい、後者はバランスがよいと思いました。ティーカップ&ソーサーは前者が英国ミントンのハドン・ライズ、後者は英国ウェッジウッドのワイルドストロベリーです。お菓子は、バウムクーヘンと「さかきの赤松」(アーモンド菓子、長野坂城町の紅谷和洋菓子舗)です。プレートはワイルドストロベリーゴールドを使用しました。