今日はビールの日です。ビールはこうでないといけない、と1516年4月23日にドイツ・バイエルン公国のヴィルヘルム4世が発令した「ビール純粋令」 で、「大麦、ホップ、水のみを原料とすべし」と決められた日です。この日はまた、地ビールの日といわれることもあり、日本では、1994年4月に行われた酒税法の改正で、ビール製造の免許をとるのに必要な最低製造量が、それまでの年間2,000KL(大瓶約300万本程度)から清酒と同じ60KL(大瓶約9万本程度)にまで引き下げられたことが契機で、後に日本地ビール協会などの「地ビールの日選考委員会」が選考したことから来ています。ここから小規模醸造が可能になり、ビール製造の新規参入も増えたことになります。その後、撤退もありましたが、日本でも大手会社が造るピルスナー(ラガー)タイプだけでなく、個性あふれる地ビール(クラフトビール)が生き残っています。
今回は、大手の会社も参入している地ビールタイプ(エールという)の新商品やその関連で、新しめのものを試してみましたので、いくつか紹介します。
・アサヒスーパードライ生ジョッキ缶:これは、スーパードライですが、缶の全開のフタが初めての試みらしく、売れています。今は販売一時休止らしいです。泡がきれいで好奇心をくすぐるし、そのままごくごく飲むのが楽しいです。実売価格は、普通のスーパードライより若干高めでした。
・キリンスプリングバレー豊潤496:キリンの説明によると、麦芽を通常のビールの約1.5倍使用し、ホップは4品種を組み合わせるなどした素材にこだわったものということです。私の印象は、華やかな香りとやや軽めの味わいで軽快な味わいです。香りが強すぎるところを何とか回避しているようです。
・エビスプレミアムエール;これは、香りのよいカスケードホップを使って、上面発酵酵母を使用したエール(ビール)で、通常の1.5倍熟成に時間をかけたとのことです。私の印象は、香りが豊かで、ラガータイプのものよりコクがあります。方向は、キリンの豊潤と近いですが、こちらのほうが香りはやや抑えめでコクはややある感じです。ほのかな甘みと苦みのバランスがよいです。
・エビスプレミアムホワイト:これは、ネルソン・ソーヴィンとシトラという2種類のホップを使用して、上面発酵酵母を使用したビールとのことです。私の印象は、香りがよく豊かで、ほのかな甘味と酸味が心地よいですが、ヨーロッパの小麦ビール(ホワイトビール)を飲み慣れていると、さわやかさと酸味などが中途半端でやや物足りない感じもあります。小麦中心に作らなかったのは、コストの問題でしょうか。たしかにこれも季節限定商品です。
・アサヒビアリー;これは、微アルコールのビールテイスト飲料で、20歳以上の販売を想定していますが、0.5%のアルコールなので、酒類ではありません。また、ほかのノンアルコールビールと味もコンセプトも違い、なかなかよいところをねらったものだと思いました。私の印象は、麦の甘みが感じられるビール風飲料で、さわやかな飲み口、さっぱりして酔わない麦ジュースのようで軽快でした。ただ、値段は通常のビール並みで、ノンアルコールビールよりは高くつきます。しかし味わいは違うので、差別化できる気もします。
アルコール飲料の消費は、現在厳しいところがありますが、一方、家飲みも根付いてきていますので、各社いろいろな相違工夫をしているのは嬉しいことです。
最後に、旅で飲んだドイツのエール(地ビール)の代表2つを紹介します。デュッセルフドルフの「アルト」と、ケルンの「ケルシュ」です。どちらも、わんこそば感覚で軽快に飲める特色あるビールで、製法的には上面発酵の酵母を、下面発酵の低い温度帯で醸造するビールということです。