今まで眠らせていたワインがそろそろ飲み頃かということで、10月下旬のことですが、少人数での食事会をしました。今回は、ブルゴーニュワインを持ち込むことを前提にお店を決めて開いた会です。利用した店舗は、飯田橋(神楽坂)にある「メゾン・ド・ラ・ブルゴーニュ」で、持ち込みワインはブルゴーニュの赤白で2本です。
まず白として、ドメーヌ・アンリ・グージュ(ニュイ・サン・ジョルジュのプルミエクリュ)のピノ・ブラン(ピノ・ノワールの突然変異で、アルザスなどのピノ・ブランとは異なるとも、同じようなものともいわれています。ピノ・ノワールはとても変異が多く、そのうちのひとつということでしょう。このドメーヌでは「ピノ・グージュ」と呼んでいるとのこと)です。ヴィンテージは2015年です。そして、赤で今回一番の主役は、ヴォーヌ・ロマネもちろんグランクリュのDRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)の「リシュブール1997年」です。これを今回飲んでしまおうと考えた企画でもあります。
さて、スパークリングワインで乾杯し、食事が進んでいきます。予約がはっきりしていないとかで、フランスの人が多いといわれるスタッフと話がなかなか通らないようで、若干のトラブルがありましたが、何とかありつけました。人の入りは週末だからか多かったですが、お店は少し気が利かない感じではありました。まあ食事はそこそこしゃれていて、まずまずではありました。量も小ぶりでかえってちょうどよかったです。
ピノ・ブラン100%、「ラ・ペリエール」は、ほかの地域のピノ・ブランに比べると、ミネラルや旨味があり、やや濃厚な印象でした。
さて、DRCの「リシュブール」に移ります。開けてもらい、写真のグラスについでもらっただけで、とてもよい香りが湧き上がってきました。私はブルゴーニュワインはまだまだよくわからないですし、必ずしもファンというわけではなく、経験も少ないのですが、これは期待が持てます。DRCのワインを飲むこと自体が初めてだったかもしれません。
そのような私が、なぜこれを持っていたかといいますと、改めて振り返ってみますと、ある時代、漫画「神の雫」の影響を受けていたことを思い出したのです。特に今回、第1巻を読み返してみると、最初に登場していたのが「リシュブール」。
この「百の花の香り」に魅せられ、おそらく2000年代の半ばくらいに自分が買うことができるヴィンテージを1本だけ購入していたのでした。ついでに、この巻に出てくるボルドーの「シャトー・ムートン・ロートシルト」、「シャトー・モンペラ」などもこの時代、買っていました。それらはかなり過去に飲んでしまいました。
以前はワインセラーなども持っていませんでしたし、保存状態が気になっていましたが、悪くないのでほっとしました。1997年ものは、出来具合の評価(チャート)からすると「平均的な年」ということですが、ちょうど飲み頃でしたし、美味しかったです。
何しろ香りが豊かというのが、第一印象。これを何と表現してよいやら、困ります。やわらかく何かが突出することのない穏やかな印象です。
アタックは軽やかというか柔らかいのですが、香り・味ともとても余韻が長いです。
穏やかな酸味、渋みはこなれていてソフトな味わい。紅茶、スミレやバラなどの花、赤系から黒系までのフルーツ、スパイス、丁字など。土っぽさ、皮や獣のニュアンスなどはあまり感じられませんでした。と、あとから言葉をつけていますが、正直なところ、コメントはあまり出てこず、エレガントながら強い印象、香り・味わいにメンバーすべてがただただ、幸せに酔いしれたひとときでした。