2009年10月から新国立劇場で始まった、シェイクスピアの『ヘンリー六世』三部作。その歴史劇シリーズ最終作である『リチャード二世』が、今日10月25日まで行われました。全部で8作の、足掛け12年をかけた試みでした。私も行ってきました。
シェイクスピア作品は、少なくとも意識的に観た私の演劇デビューであり、その後の劇場好きにつながるものでもあります。若き頃、大久保にある本場を意識した建築・劇場構造である「東京グローブ座」(現在は運営が違っています)で悲劇・喜劇いろいろなシェイクスピア作品を観た感激、またそこで行われた日本語でのモーツァルトのオペラ観劇が、今の趣味嗜好の原点のひとつでした。
さて、『リチャード二世』ですが、8作品のなかでは歴史的に最も古い時代を扱ったもので、すべての争いの原因となった、ボリングブルック(後のヘンリー四世)によってリチャード二世から王権が奪いとられるところが描かれています。
前半90分、後半85分くらいの作品ですが、まったく長さを感じませんでした。舞台上に多くの俳優がそろって登場する場面も多く、シェイクスピア作品ならではの素晴らしい台詞の緊迫感がそう感じさせたのでしょう。私も、周りの観客も大満足といった感じでした。人間のドロドロした争いの話なのですけれどね。下に出演者などの記録を記しておきます。
作:ウィリアム・シェイクスピア、翻訳:小田島雄志、演出:鵜山 仁
出演:岡本健一(王リチャード二世)、浦井健治(ヘンリー・ボリングブロック)、中嶋朋子(王妃)、立川三貴、横田栄司、勝部演之、吉村 直、木下浩之、田代隆秀、一柳みる、大滝 寛、浅野雅博、那須佐代子、小長谷勝彦、下総源太朗、原 嘉孝、櫻井章喜、石橋徹郎、清原達之、鍛治直人、川辺邦弘、亀田佳明、松角洋平、内藤裕志、椎名一浩、宮崎隼人
なお、今年に英国がらみのイベントが多いのは、日英交流年「UK in JAPAN」という位置づけによるものらしいです。今は2019年から2021年までが対象ということです。