「世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ」は、見てみたいと思っていた映画のひとつでした。気づいた時には近くでの上映はすでに終わっていましたので、宇都宮まで行って見てきました。行った先は、東武宇都宮駅からすぐのところにある、ヒカリ座です。夕方から入場。休日での2回目の上映ということ、やはり内容が地味なこともあって場内は私含めて3人でした。

作品は、淡々としたドキュメンタリー映画でした。監督である旧ユーゴスラビア出身のエミール・クストリッツァによるインタビューのシーンが多く、昔の写真や映像と現在の映像が混じり、2015年の大統領退任までの民衆の熱狂が描かれます。作品の時間は1時間14分と短く、ムヒカのことをまったく知らない者にとっては理解が難しいでしょう。しかし、ムヒカ(愛称ペペ)の人柄、戦いの同士でもある妻ルシア・トポランスキーとの絆、そしてところどころに光る言葉が濃密に伝わってきます。
要人の誘拐、銀行強盗、ファシストとの戦いなどの行動もさらりと語りドキッとしますが、そう、ムヒカはゲリラの闘士なのです。もともと南米のスイスといわれた国で軍事クーデターが起こり、独裁政権で荒れたところからムヒカは抵抗運動に加わり、収容所生活も13年に及んだといわれています。2010年に大統領に就任してからもおごることなく、さまざまな革新的な政策を打ち出していきます。言葉をひとつ引用しておきます。「大勢の国民に選ばれたなら、国民と同じ暮らしをするべきだ。特権層でなくね。政治の世界で探すべきは、大きな心と小さなポケットの人物だ」。どこかの国と何という違いでしょうか。

ちなみにウルグアイは人口345万人の小さな国ですが、サッカーでは世界中に優れた選手を輩出しています。ワールドカップ優勝歴も2回あります。1930年第1回目での優勝(開催地が自国ウルグアイ)、そして1950年第4回大会です(開催地はブラジル)。

そして牛。牛肉の質の良さは素晴らしいです。広大に広がる牧草地で草だけ食べて育てられた、やや小ぶりでしまった赤身肉はヘルシーだけどしっかり美味しいということで、久しぶりに輸入再開された日本でも注目されています。

ワインもこのところ、注目されている国のひとつです。代表的品種には、タンニンからの言葉由来といわれるタナ(赤ワイン)があります。肉食に合いますね。

そしてマテ茶 。映画でもムヒカが何度も飲むシーンが出てきますし、監督に勧めて飲ませるシーンも出てきます。南米ではポピュラーな飲料です。


イェルバ・マテの写真を追加しました。マテは、モチノキ科の常緑低木です。学名は、
Ilex paraguariensis ウルグアイの製品のHPも紹介します。原料はブラジルからきているようです。また、日本にもマテの協会があり、紹介HPがありました。