再開した銀座の歌舞伎座に久しぶりに行ってみました。新型コロナ対策のため、8月からの再開公演は4部構成で、出演者スタッフ観客すべて入れ替えとする実施方法で行っています。席は前後左右1席ずつ空けた対応です。各部はそれぞれ45分から70分程度の時間構成です。
歌舞伎の鑑賞はもしかして4、5年ぶりかと思います。確か2013年からの現在の改築された建物になってからは数回は行った記憶がありますが、改装後は、一時代前のものに比べてきわめて見やすくなったという印象がありました。もともと歌舞伎座は、他の劇場に比べると舞台が横方向に圧倒的に長い(間口が広い)のが印象的でしたが、それとともにどの席でも見やすくなったと思います。以前は、前の客がのぞき込むと席によっては、まったく見えない印象がありましたので。
今回は9月大歌舞伎。見たのは、第1部の「寿曽我対面 工藤館の場」でした。歌舞伎の様式がしっかり見られるものがよいと選びました。歌舞伎の役どころが多くそろい、動的なところからの見得があり、視覚的に美しく登場人物が集まってポーズを決める絵面の見得(えめんのみえ)もある、堪能できた作品でした。私みたいな素人には、動きが大きく見た目も派手めな道化役の小林朝比奈(中村又五郎)、荒事の曽我兄弟の弟五郎(尾上松緑)が特に印象に残りましたが、ほかに若女形の化粧坂少将(中村米吉)も姿と声の美しさで印象がよかったです。今回は花道の使用もありました。3階席の上手側に座っていましたので、少しは見えました。
行ったのは休日でしたが、入りはそれほど多くなかったですね。部にもよるのかどうか。